NPB 予定通り10日から上限5000人の有観客解禁も…集客拡大は慎重

[ 2020年7月7日 05:30 ]

斉藤コミッショナー
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 プロ野球とJリーグは6日、新型コロナウイルス対策連絡会議をオンラインで開き、10日から上限5000人の観客を入れて試合を開催することを確認した。プロ野球は8月1日をめどに集客を球場の収容人数の50%へ拡大する方針だが、この日で都内の新規感染者は5日連続で100人を超えるなど、感染第2波への警戒は強まっている。専門家チームからは感染状況を慎重に見極めて今月20日前後に、8月1日以降の方針を判断するよう意見が出された。

 第2波の足音が大きくなりつつあるが、しっかりと対策した上で再開を目指す。斉藤惇コミッショナー(80)は10日から上限5000人、そして8月1日からは数万人規模となる収容人数50%の集客を目指す考えを改めて繰り返した。

 「10日から5000人のお客さまを入れた開催ということで期待している。よほどのことがない限り、8月1日から50%のラインは崩れていないと理解して準備していく」

 政府の専門家会議の後継である「新型コロナウイルス感染症対策分科会」はこの日の初会合で、イベント開催制限を予定通り10日から1段階緩和することを了承した。5月25日発表の目安では、その次の段階として8月1日をめどに収容人数の50%とされており、プロ野球もそれに従い準備を進める。斉藤コミッショナーは「最終的には内閣府での了解がないといけない」と行政判断を尊重することを大前提とした。

 一方で専門家チームの三鴨広繁氏は「問題は8月1日から本当に半数のファンをお迎えできるのか」と提起した。都内で4日に移動自粛が要請され、効果を見るには10日から2週間が必要となる。「感染者数の推移を注意深く見て、最終的に7月20日前後に決断されることになろうと思う」と指摘した。座長の賀来満夫氏は「社会、経済を回しながらリスクコントロールし、トライすることも必要」とも訴えた。ゼロリスクという理想は追えない中で、緩和拡大へ慎重な判断が求められる。(後藤 茂樹)

 ≪有観客「賛成」は約20%≫早大スポーツビジネス研究所はスポーツ観戦に関する調査結果を公表し、プロ野球とサッカーJリーグの観客を入れた通常開催への賛成意見はそれぞれ22・4%、20・6%にとどまった。観客を制限した縮小開催には40%以上、無観客には過半数がともに賛成した。今後、会場での観戦を希望するのはプロ野球が29・3%、Jリーグが15・3%。「大勢の人が同じタイミングで集まること」「不特定多数の人との接触」への心配が、それぞれ8割を超えた。

 ◆その他の主な審議・報告事項 (1)年末恒例の12球団ジュニアトーナメントは12月29~31日での開催可能性を検討(2)ファーム日本選手権は11月7日、宮崎県内で行う。秋季教育リーグにあたるフェニックスリーグは11月8~29日で開催(3)有観客開催に向けての感染対策ガイドラインは近日中に公開。時差退場などを導入。

 ▼三鴨広繁氏(愛知医大感染症科部長)敵(ウイルス)の正体がだいぶ分かってきた。(4月の同程度の感染者数の際と)判断は変わって当然。スポーツ文化を守るために球団も選手も努力してきた。今度、努力していただくのは観客の皆さん。接触者アプリ(COCOA)を入れて、体調が悪いときには球場に足を運ばない。これを徹底していただきたい。

 ▼賀来満夫氏(東北大名誉教授)(感染者数が)再び増加傾向にあるのは事実。ただ爆発的に市中感染が広がっている状況ではない。7月20日前後である程度、評価ができるだろう。(都内の新規感染者数が)100人前後はこれから10日ぐらいは続いていくと思う。完全なゼロリスクはない。感染の出方、流行のあり方を東京都、政府が解析していくと思うのでその結果を注視していく。

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