【中畑清 日本シリーズ大分析1】ソフトB、ミス許さぬチームづくりがミスつけこむ強さ生んだ

[ 2019年10月24日 08:30 ]

SMBC日本シリーズ2019第4戦   ソフトバンク4―3巨人 ( 2019年10月23日    東京D )

4回1死一、三塁、菅野(左)から先制3ランを放つグラシアル(撮影・木村 揚輔)
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 ソフトバンクが4連勝で3年連続の日本一に輝いた今年の日本シリーズ。スポニチ本紙評論家の中畑清氏(65)は、ソフトバンクのミスを許さない高いレベルのチームづくりが日本一という実を結んだ、と分析した。4回、グラシアルがチーム打撃に徹して放った決勝3ランも教育のたまものと指摘。ソフトバンクの圧力に押し倒されて完敗だった巨人は、来季への課題が明確になったとした。(構成・秋村 誠人)

 ソフトバンクの力を、まざまざと感じたシリーズだったね。走攻守に隙がなく、相手のミスを逃さない。それは自分たちのミスも許さないということの裏返しであり、レベルの高いチームづくりで大輪の花を咲かせたんだ。

 0―0の4回。そんなチームの力が象徴されていた。3連敗の巨人が全てを託したエース菅野の攻略。先頭の今宮、1死からデスパイネが初球を積極的に打って1死一、三塁とした。ここで打席にはシリーズ男グラシアル。絶好のチャンスでも振り回さず、犠牲フライでいいという打撃を見せた。

 外角の際どい球を見極め、フルカウントから7球目。やや高く浮いたスライダーをコンパクトに捉えた。軽打なんだけど、前のフォローが大きいから飛距離が出る。左中間へ3ラン。長打は狙わない。強引にも行かない。外国人選手も状況判断してチーム打撃に徹する。行き届いた教育が打たせた一発。この打線で外国人選手がこんな打撃をしたら鬼に金棒だ。

 チーム全体での意識の徹底。その根底にあるのが、ミスを許さないという厳しい姿勢なんだ。春季キャンプを見れば分かる。練習でミスした選手に松田が罵声を浴びせる。柳田もしかり。彼らは自分自身のミスを絶対に許さない。だから周りにも突っ込める。でも、明るさも忘れない。実に格好いいよね。ムードメーカーと言われるけど、真のチームリーダーでもあるんだ。

 こうした高い意識を持ってチームづくりがなされるから、選手層は厚くなる。シリーズを通じて交代選手がことごとく工藤監督の采配に応えた。控えが控えではないんだ。誰が出場しても遜色ないプレーをする。まさに全員で相手チームを倒しにいく。その圧力がポストシーズン10連勝を生んだと言っていい。

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