華麗な守備走塁もう見られない―広島・赤松引退 胃がん手術から1軍復帰かなわず決意

[ 2019年9月8日 05:30 ]

広島・赤松真人
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 華麗な守備走塁はもう見られない。広島は7日、赤松真人外野手(37)が今季限りで現役を引退すると発表した。前日6日の永川勝浩投手に続く重い決断。17年1月の胃がん手術から1軍復帰を目指していたが、果たせなかった。22日に会見を開く。同日の中日戦(マツダ)では引退選手特例によって1日限定で出場選手登録され、引退セレモニーに臨む予定だ。

 鈴木清明球団本部長によると、申し入れがあったのは8月末。赤松本人の話として「今季1軍出場できなかったら、ユニホームを脱ごうと当初から決めていた」と明かし、「球団としては出てほしかったけど、年齢やチーム状況を考えると…。体調も万全には戻っていないだろうし、その辺を本人が考えたと思う」と察した。

 赤松が胃がんを公表したのは2016年12月。翌17年1月5日に胃の半分を切除した。抗がん剤投与など治療やリハビリを必死にこなし、18年には2年ぶりに春季キャンプに参加。ウエスタン・リーグ55試合にも復帰出場し、打率・237、1本塁打、5打点、5盗塁の成績を残した。

 熟慮の末に現役続行を決めた昨オフの契約更改交渉では「“戦力として見ている”と言ってもらい、すごくありがたい。恩を返さないといけない。1軍で活躍しないと本当の喜びはない。4連覇に少しでも貢献したい」と明言。今季は3年ぶりの1軍復帰を目指したが、果たせなかった。

 赤松は平安高(龍谷大平安)から立命大を経てドラフト6巡目で05年に阪神入りし、08年にFA移籍した新井貴浩(本紙評論家)の人的補償として広島移籍。10年8月4日の横浜戦(DeNA=マツダ)では、村田修一が放った本塁打性の飛球をフェンスによじ登って好捕し、米国でも衝撃プレーとして取り上げられるなど、世界に名をとどろかせた。

 16年6月14日の西武戦(マツダ)では、同点の9回に劇的な中前サヨナラ打。リプレー検証でアウトの判定がセーフに覆り、コリジョン・ルール適用による史上初のサヨナラ劇勝から11連勝を呼ぶなど、攻守走で25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。鈴木球団本部長は「思い出に残る選手だった」と惜しんだ。

 通算成績は867試合に出場し、打率・249、21本塁打、144打点、136盗塁。1軍での勇姿披露はかなわなくても、がんと闘い、復帰を目指して必死に努力する姿が多くの人に勇気と感動を与えたに違いない。(江尾 卓也)

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