【渡辺元智氏解説】U18侍、土壇場でのメンタル大事 国を背負う重圧に負けない精神力必要

[ 2019年9月8日 09:30 ]

第29回WBSC U18W杯 スーパーラウンド第3戦   日本1-4オーストラリア ( 2019年9月7日    韓国・機張 ドリームボールパーク )

オーストラリアに敗れ、力なくベンチへ戻る佐々木(中央)ら日本代表ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 悲願の初優勝はならず、5位に終わった高校日本代表。今大会に向けた準備、戦術、選考方法は最適だったのか。橫浜高前監督の渡辺元智氏(74)による解説で振り返る。

 高校日本代表の5位という結果は、各国がそれだけ力をつけてきていることの現れでもある。

 守備が勝敗を大きく左右した。近年、金属バットを使用する中でどんどん打球が速くなり甲子園でもかなり深く守る選手が目立つ。その流れで今大会でも深く守る傾向にあったため、慌ててミスにつながった。打球の正面に入るという基本に立ち返る必要があったと思う。投手をたくさん入れたいという目的もあり、人数に限りがある中で野手はオールラウンドプレーヤーに頼ることになってしまった。不慣れなポジションをこなす選手には気の毒だったと思う。

 今年4月には国際大会対策合宿を初めて行った。佐々木ら甲子園未出場選手には大学や社会人の練習に参加を促し、テーマを与えて代表合流まで綿密にフォローした。アシスタントコーチの増員、専門の分析担当を配置、整形外科医が同行するなど永田監督も日本高野連も必死に頑張っていた。うまくいっていただけに、佐々木のマメは本人もチーム自体もショックだっただろう。投げ込みが少なかったのかもしれない。厳しい経験になったとは思うが生かして良い投手に育ってほしい。

 また、技術以外にも土壇場でのメンタルの強さが必要だ。昨今、楽しく野球をやる風潮の中、国を背負うという普段とは違った重圧に負けない精神力をどう培うか。考えていかなければならない。(横浜高野球部前監督、94年AAAアジア選手権、04年同世界選手権日本代表監督)

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2019年9月8日のニュース