U18終戦 奥川「プロでやりたい」悔しさ胸に初めて志望明言 佐々木に匹敵、ドラ1競合確実

[ 2019年9月8日 05:30 ]

第29回WBSC U18W杯 スーパーラウンド第3戦   日本1-4オーストラリア ( 2019年9月7日    韓国・機張 ドリームボールパーク )

<日本・オーストラリア>登板に備え笑顔でキャッチボールをする奥川(撮影・島崎 忠彦)
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 プロの舞台で頂点へ――。高校日本代表は、スーパーラウンド第3戦でオーストラリアに1―4で逆転負けを喫し、5位で終戦した。カナダとの第1戦で7回18奪三振の快投を演じた奥川恭伸投手(3年=星稜)は、準備していた決勝での登板を果たせず。試合後は慎重に言葉を選びつつも、初めてプロ志望であることを明言。国際舞台でさらに評価を高めた右腕が、次のステージに挑む。

 夢が絶たれる瞬間は三塁側ブルペンで迎えた。オーストラリアに敗れ、優勝はおろか3位決定戦にすら進むことができなかった現実を、奥川は厳しい表情で受け入れた。

 「世界一を目指してやってきたので、かなわなくて悔しい」
 1―4の9回。1死からの連続四球で一、二塁となった時点でブルペンへ。「追いついたらいくぞと言われていた」。最後の望みをかけたスクランブルに備えたが、ついに最後まで出番はなかった。

 全力を傾けてきた国際大会は終わった。だが世界を驚かせた男には次のステージが待っている。注目される進路に関して、明確に胸の内を明かした。

 「プロでやりたいと思っている。まだ100%は固まっていないので、いろんな人に相談したい」

 W杯初登板となったスーパーラウンド初戦・カナダ戦で7回を2安打1失点、18奪三振。世界の舞台で得た手応えを胸に、より高いレベルを求める。「小さい頃からの夢。そこを目指して野球をやっているし、その世界に入ってからも活躍したい」。一方で「生半可な気持ちで(プロ志望届を)出せるものではない。最後まで考えると思う」とも言う。提出期限の10月11日まで両親、星稜・林和成監督らさまざまな参考意見を聞き、熟考して、結論を導き出す。

 カナダ戦は視察した国内5球団のみならず、大リーグのスカウト陣からも高評価を得た。最速154キロの直球に加え、スライダーなど変化球の切れ、制球力は抜群。甲子園大会の蓄積疲労のため、大会序盤は調整に充てたが、確実に登板日に状態を合わせてきた。「僕は皆さんが言ってくれるほど、凄い投手じゃない。凄い投手はたくさんいる」が口癖。謙虚ゆえに向上心も強い。今秋のドラフトでは佐々木に匹敵する数の球団から1位指名を受ける可能性が高い。

 大会を振り返り「短期間でしたが、チームワークも良かった。みんなで最後まで行きたかった」と無念の思いを口にした。立てなかった世界の頂点は、上のカテゴリーで再び目指すことになる。(桜井 克也)

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