敦賀気比19点爆勝!杉田サイクル「まさか自分が」15年ぶり史上6人目

[ 2019年8月14日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第8日2回戦   敦賀気比19-3国学院久我山 ( 2019年8月13日    甲子園 )

<国学院久我山・敦賀気比>9回無死一塁、本塁打を放ち、サイクルヒットを達成した敦賀気比・杉田(撮影・平嶋 理子)
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 最後に運が付いてきた。9回無死一塁、敦賀気比・杉田の高く上がった打球は接近中の台風10号の影響からか、普段の浜風とは逆の左翼から右翼に吹く強風にも後押しされ、右中間席へ飛び込んだ。

 「芯で捉えたけど、上がりすぎたのでアウトになると思った。まさか自分ができるとは…。後ろにつなぐ意識が結果につながった」

 1打席目から右安打、左越え二塁打、中安打、右中間三塁打。本塁打を打てばサイクル安打で迎えた7回無死二、三塁。ベンチから「ホームラン!」の声も飛ぶ中、初球を打ち上げ左飛に倒れた。それまでの4安打は逆方向とライナー性の打球を意識。基本に戻って偉業を成し遂げた。

 昨夏はメンバー外で今年3月に定位置をつかんだ遅咲きだ。OB西川龍馬(広島)の巧打に憧れるが、吉田正尚(オリックス)ばりの長打力も秘める。4月末の練習で打球が高さ8メートルの右翼フェンスを越え、停車していたスポーツカーを直撃。車の持ち主が中野洋一郎部長に「次当てたら買い換えてもらう」と注意したが、中野部長からは「打球を当てられた人が自慢できる人間になれ」と励まされた。令和初のサイクル安打で7打点の大活躍。4安打5打点の木下は「自分がお立ち台だと思っていた」と笑い、寮の同部屋の仲間を祝福した。

 チームは22安打で春夏通じて北陸勢最多の19得点。4強入りした14年以来の夏2勝をマークした。杉田は一塁の守備に就く前には帽子を取って一礼する。「試合に出させてもらっているありがたみを感じています」。謙虚で実力十分な3番打者が先頭に立って深紅の大優勝旗をつかみに行く。(石丸 泰士)

 ≪駒大苫小牧・林以来15年ぶり≫敦賀気比の杉田翔太郎がサイクル安打を達成した。夏の甲子園でのサイクル安打は04年横浜戦で林裕也(駒大苫小牧)が記録して以来15年ぶり6人目。最後に本塁打で決めたのは91年沢村通(大阪桐蔭)以来となった。

 ≪福井県勢では最多得点≫敦賀気比が国学院久我山戦で19得点。福井県勢では14年同校の坂出商、盛岡大付戦での16得点を抜く最多得点となった。また、国学院久我山の19失点は慶応普通部が1920年夏の関西学院中戦で記録した17失点を99年ぶりに上回り東京勢ワースト記録となった。

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