鳴門・竹内 聖地で巡ってきた今夏初登板…「やり切った」完全燃焼の1回24球

[ 2019年8月14日 18:22 ]

第101回全国高校野球選手権大会 2回戦   鳴門5―8仙台育英 ( 2019年8月14日    甲子園 )

<鳴門・仙台育英>敗れた鳴門ナイン(撮影・成瀬 徹)
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 念願の今夏初めての登板は、思わぬ場面で訪れた。5―8の8回に徳島大会からマウンドを守り抜いてきたエース左腕西野知輝(3年)が代打を送られると、2番手投手として待機し続けてきた右腕の竹内勇輝(3年)に、とうとう出番が回ってきた。

 「観客の方の声援がすごかった」と武者震いして出陣。鳴門オロナミンC球場とはひと味違う聖地のマウンドをかみしめながら1球1球、3年間の集大成をぶつけるように投げた。先頭の千葉蓮(3年)を遊ゴロに打ち取ると、続く大栄陽斗(3年)も捕邪飛に。木村航大(1年)には四球を与え二盗を許したが、笹倉世凪(1年)を左飛に仕留め、1回を無失点。西野の陰に隠れ脚光を浴びることのなかった男が、結果で応えた。

 「投げられて楽しかった。1イニングだけだったけど、やりきれた。ずっと憧れてきたマウンドでうれしかった」

 西野1人のチームではない。西野からも「自分より球は速いし、安心して見ていられる」と信頼を置かれる存在。だが県大会前の練習試合で打ち込まれ、徳島大会では登板機会に恵まれなかった。「投げられずにイライラしたこともあった」と述懐するが、「いつか出番があるから」と周囲から励まされてきたからこそ、この場所に立てることを実感できた。西野から「全力で腕を振って後悔が残らないように投げてこい」と後を託され、自信を持って腕を振った。

 1試合1回24球。徳島大会から通算して7試合61回963球を投げた西野に比べ、数字では見劣りするかもしれないが、最速は西野の言葉通りエースの上をいく141キロを計測。「最後に投げさせてもらって感謝したい」。涙はない。やり切った竹内の顔は勇ましく、そして輝いていた。

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