藤浪 いきなり153キロ!逆襲の19年へ「良いアピールができた」

[ 2019年2月2日 06:30 ]

ブルペンで声を張り上げる阪神・藤浪(撮影・坂田 高浩)
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 「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」でキャンプインした阪神は藤浪晋太郎投手(24)が初日からブルペン入りし、高性能弾道測定器「トラックマン」で最速153キロを計測するなど豪球を連発。開幕ローテ入りへ、快発進で弾みをつけた。

 2月1日には滅多にお目にかかれない数字を叩き出した。投じる1球、1球から伝わる重みと球威。意気込んで土を踏んだブルペンで、藤浪が躍動した。

 「良い感じでは投げられたんで、バランスも良かった。キャンプの入りとしては良い形で入れたのかなと」

 本人の言葉を裏付けたのが“球春最速”の豪球だ。この日、球団のトラックマン担当者が藤浪の投球データを収集。投じた58球の中で直球は複数にわたって150キロ超を計測していたという。証言したのは、キャンプ視察で沖縄を訪問し右腕の投球を見守っていた赤星憲広氏(スポニチ本紙評論家)。1球ごとの球速を目にし、驚きを隠せなかった。

 「153キロ出てたよ。直球は常時、148キロから153キロだった。スピードに目がいくけど、何よりバランスが良い。左足にきれいに体重が乗っている。表情が良かったし、充実感が表れていた」

 称賛の声が鳴りやまない。ブルペン入りする直前に顔を合わせた藤浪は同氏に対し「良いものが見せられると思う」と“快投”を宣言していたという。

 キャンプイン初日で153キロをマークするのは超異例と言っていい。ただ速いだけでなく、プロの目からも感じ取れるバランスの良さも兼備する。投球を目にした矢野監督も例外ではない。「生でピッチングを見るのは去年以来なんだけど、すごい楽しそうやったよね、顔が。ワインドアップで投げるのは威圧感があるし、見た目がかっこいい。そういうのがすげえなと思った」。その表情から手応えを感じ取った。

 「(トラックマンで)いろんな数値を確認できたので良かった。(監督が言っていた)良い顔かは分からないですが、バランスはすごく良かったので」

 昨年12月から京都市内にあるJRA騎手の武豊がプロデュースするジムに通い、狭まった肩周り、股関節の可動域を広げ、フォームを模索。年明けから披露しているワインドアップも定着しつつあり、早期の実戦登板へ向けても「ブルペンの回数は入ってるし、クイックとか変化球の精度をしっかり仕上げていけたら」とペースアップも予告した。

 「今日1日、しっかりアピールしたいなと思ってブルペンに入ったのもあった。良いアピールをできたとは思います」。偶然の産物ではない。2月1日の「153キロ」は逆襲への叫びだ。(遠藤 礼)

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