デーブ新監督「命懸ける」ファンには異例謝罪「俺ぐらいの…」

[ 2014年10月15日 05:30 ]

記者会見する楽天の大久保博元新監督

 楽天は14日、今季限りで退任した星野仙一監督(67)の後任に大久保博元2軍監督(47)が就任すると発表した。契約は1年。同監督はこの日、フェニックス・リーグが行われていた宮崎から仙台市内のコボスタ宮城に移動し、ドタバタで就任会見を行った。

 午前9時。宮崎の試合会場に到着する直前に大久保監督の携帯電話が鳴った。「監督要請をするので、すぐに仙台に来てください」。球団幹部からの連絡だった。航空機と新幹線を利用して仙台まで約5時間の強行軍。午後4時から立花陽三球団社長(43)と臨んだ会見では「課題は常勝軍団をつくること。命と体を懸けたい」と抱負を語った。

 9月18日の星野監督の辞任会見から26日。球団は早い段階で昨季からの2軍監督で選手の能力を把握し、今季は星野監督の腰痛での休養期間に代行監督も経験した大久保監督を後任の最有力候補としていた。だが、球団内部での議論に時間を要し、さらに現在はクライマックスシリーズの開催期間でもあって発表が遅れていた。この日の早朝に三木谷浩史オーナー(49)の強い意向もあり、発表することを決定。大久保監督を呼び寄せた。

 西武の2軍打撃コーチを務めていた10年に選手への暴力行為を理由に解雇され「もう一生ユニホームは着ない」と決めていた。それでもチャンスをくれた球団の配慮に、大久保監督は「楽天と星野監督に命を懸けて恩返ししたい」と言う。晴れの就任会見なのに、「俺ぐらいの人間が監督になるのはファンの皆さまに申し訳ない。自分自身を認めていないので」と異例の謝罪も行った。

 15日からは本拠地の秋季練習に参加する。「何とか勝って納得してもらえるようにやるしかない」。目指すは昨季の日本一から最下位に転落したチームを立て直し、常勝軍団の結成。道のりは険しくとも、やりがいはある。

 ◆大久保 博元(おおくぼ・ひろもと)1967年(昭42)2月1日、茨城県生まれの47歳。水戸商から84年ドラフト1位で西武入団。92年途中に巨人に移籍し、同年に15本塁打。95年の現役引退後は「デーブ大久保」の名前で野球解説者やタレント、プロゴルファーとして活躍した。08年に西武打撃コーチとして現場復帰し、09年に編成部、10年に2軍打撃コーチを歴任。12年に楽天打撃コーチに就任し、13年から2軍監督となった。1メートル81、97キロ。右投げ右打ち。

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