イチロー 「イチ松対決」完勝も黒星

[ 2010年7月17日 06:00 ]

<エンゼルス・マリナーズ>五回表無死満塁、右中間二塁打を放つイチロー

 【マリナーズ3-8エンゼルス】マリナーズのイチロー外野手(36)が15日(日本時間16日)、エンゼルス戦の5回無死満塁で走者一掃の右中間二塁打。メジャー通算でもっとも結果を残している満塁機での快打で、連続試合安打も14に伸ばした。守っても95メートル超の大遠投レーザービームを披露するなど奮闘。打点なしの1安打だった松井秀喜外野手(36)との「イチ松対決」には完勝したが、チームは投手陣が崩れて後半戦は黒星スタート。10年連続200安打へ、今後も記録との孤独な闘いが続く。

【試合結果


 まさに「整いました」の快打だった。与えられた「お題」は4点を追う5回無死満塁、2ボールからの3球目だった。

 (1)押し出しを嫌い、ストライクを取りにくる。
 (2)マウンドはシンカーでゴロを打たせるのが得意なピネイロ。

 その心は、甘いシンカーをフルスイング。軌道に合わせて右足を踏み込み、珍しく思い切りボールをすくい上げた。「シンカーへの意識はあったか」と聞かれると「それは言えないでしょ。打席で(何も意識して)ない状況はない。ヒットならいいよ」。低い弾道のライナーは右中間を破る3点二塁打。6月24日以来、17試合ぶりの長打で1点差に追い詰めた。

 打たれたピネイロは01~06年にマ軍でともにプレー。元同僚は「最初の2打席より球が高く浮き、それを見逃さなかった。だから彼はオールスター選手なんだ」と脱帽だ。満塁では今季4打数3安打。メジャー通算でも打率・440と状況別で最も高い。そんな勝負強さの理由が、シンカーの狙い打ちに表れていた。

 2日前の13日にこの球場で行われた球宴同様、守備でも魅せた。2回1死一、三塁からケンドリックの右翼線を転々とする打球のクッションボールを処理すると、生還を狙う一塁走者の姿を確認。「多分、あそこからコントロールできる人はいないでしょう、この世の中に」。背後のフェンスには「330(フィート=約100・58メートル)」の文字。その3~4メートルほど手前からイチかバチかの大遠投は、「その辺に投げて、だった」とアバウトな返球と言いながらワンバウンドのストライクで捕手のミットへ。95メートル超の驚異のレーザービーム。2日前の歓声と違い敵地はブーイングに包まれた。

 攻守で孤軍奮闘し、プレーそのものでは松井を圧倒したが、投手陣が16被安打8失点。借金は今季ワーストの19に膨らんだ。華やかな球宴から、チームが低迷する現実へ。「(対応の)難しさについて僕から発表することはない。“僕たちはこういうところが難しくて大変なんですよ”って言えないでしょ」。10年連続200安打へ、残り73試合で81本。苦悩を押し殺しながら、イチローにしか出せない答えを求め続ける。

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