高鍋農 殺処分334頭の牛に手向けの全力プレー

[ 2010年7月17日 06:00 ]

<高鍋農・小林>小林に敗れ、ガックリの高鍋ナイン

 【宮崎 高鍋農1―6小林】“家畜が消えた街”の球児たちはそれぞれの思いを胸に、この日の開幕を迎えた。高鍋農はスタメンだけでも4選手が畜産科に在籍。学校が飼育する牛や豚の世話をしていた。

 県の非常事態宣言を受けて県選手権が中止された5月23日、同校でも牛舎の乳牛1頭に感染が見つかった。2日後には飼育する牛53頭、豚281頭がすべて殺処分。学校は埋却が終わるまで3日間休校となり、グラウンドは1週間封鎖された。立野野球部部長は「大事に育てた家畜を失った生徒たちのショックは大きかった。傷は今も癒えたとは言えない。立ち直る励み、頑張ろうとする目標が野球だった」と話す。
 出陣の朝、ナインはグラウンドで黙とう。「命に報いるため全力でプレーする。絶対に勝ってくるから見ててくれ」と田村主将。1―6で小林に敗れたが「オレたちは精いっぱい頑張った。だから安らかに眠ってほしい」と目を潤ませた。塩月監督も「選手は一投一打に必死だった。きょうの試合を忘れてほしくない」。泥だらけのユニホームは、高鍋農の復興の礎に必ずなるはずだ。

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