坂本V二塁打!ドタバタ大乱戦に決着

[ 2010年7月17日 06:00 ]

<横・巨>8回、タイムリー2塁打を放つ巨人・坂本

 【巨人7-6横浜】梅雨明けV打だ!巨人の坂本勇人内野手(21)は16日、横浜戦で同点の8回に決勝の2点適時二塁打を放った。7月に入り、打率は急降下していたが、開き直って初球を快打。守備や走塁でミスが出る大乱戦となったが、最後にリードオフマンが決着をつけた。投手陣は横浜打線を何とか8安打に抑え、プロ野球ワーストタイ記録だった連続試合2ケタ被安打を12でストップ。連勝で2位・阪神とのゲーム差を2・5に広げた。

【試合結果


 梅雨明け間近の横浜の夜空の下で、二塁ベース上の背番号6は三塁側ベンチに向かってガッツポーズを繰り返した。走塁ミスあり、失策あり、落球あり。ジメッとした季節と同様の試合に決着をつけたのは、坂本の意を決した一振りだった。
 「それまで初球から打てていなかったので、初球からいこうと思っていました。あの打席は何とか打とうと思っていた」
 同点の8回1死一、三塁。回の頭から代わった真田に対し、3人の打者がいずれも初球打ちでつくったチャンスだった。4打席目まではいずれも初球を見逃して無安打。初球の打率は、この打席を迎えるまで・369。ベンチから戦況を見守っていた坂本は、原点に返って狙いを定めた。
 初球は、内角高めへのボール気味のシュート。それでも構わずにフルスイングすると、打球は左中間を深々と破る2点二塁打となった。「シュートは頭に入れていた。甘く来たらという意識だった。開き直っていけた」。昨年はプロ初のサヨナラ弾を含む2本塁打を放った元同僚から、値千金の勝ち越し打となった。
 2日の阪神戦(東京ドーム)。試合前のウオーミングアップ直前に、ベンチ裏のミラールームに高橋を呼び寄せる坂本の姿があった。14歳年上の先輩に新調したバットを手渡し「バランスがおかしくないですか?」と尋ねた。同じ形状のバットを使う兄貴分の答えは「大丈夫だよ」。疲れもピークとなる7月はここまで打率・174と苦しむ21歳だが、さまざまな人の助けを借り、この夜は逆にチームを救った。
 2位・阪神を再び2・5ゲーム差に引き離す価値ある勝利。原監督はミスも連発した試合内容には「すきを与えない、獲物を狙うヒョウのようにやってほしい」と苦言を呈したが、坂本については「このところ苦しんでいたが、本来の当たりが出た。あす以降にいい呼び水になる」と評した。球宴前の前半戦も残り5試合。「波はあると思うけど、1打席でも早く(良く)とは思っている」という坂本のバットでラストスパートをかける。

 ≪坂本は夏が嫌い?≫坂本(巨)の昨季月別打率を見ると、7、8月に2割台。6月までの・351から8月終了時は・306と4分5厘もダウンしてしまった。今季も7月はここまで打率・174と苦戦。11試合で打率を2分も下げているが、この日の一打をきっかけに上昇カーブに転じられるか。

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2010年7月17日のニュース