楽天 パ3強に待った!大地で2位西武&3位オリックスに1.5差 正念場8試合の初戦V打

[ 2022年9月13日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天8―2オリックス ( 2022年9月12日    楽天生命 )

<楽・オ>5回、鈴木大が2点適時打を放つ(撮影・篠原岳夫)
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 3強に待った!4位の楽天は12日、激しい順位争いを展開する3位のオリックスに快勝。首位・ソフトバンクとの2・5ゲーム差は変わらずも3位と1・5差とした。鈴木大地内野手(33)が5回に決勝適時打を放つなど3安打2打点と活躍。東洋大時代の恩師で、7日に敗血症のため74歳で天国に旅立った前監督の高橋昭雄氏に、逆転でのリーグ優勝を報告する。

 気合と根性でバットを振った。アマチュア時代に戻ったような気持ちで。1―1の5回2死満塁。鈴木大は2ボールから甘く入ったスライダーに反応した。右前への決勝2点打。塁上で雄叫びを上げ、ベンチの仲間に向かって拳を突き出した。

 「楽天に来て3年目だけど、(先発の)ノリ(則本)がこんなに何度も吠えているのを初めて見た。僕も吠えちゃいましたけど、それだけうれしかった」

 もう気持ちはトーナメント戦だ。試合前時点で4位ながら首位と2・5ゲーム差で、この日から9日間で上位3チームと8試合を戦う正念場がスタート。鈴木大も「負けられない試合が続く。高校野球みたいに」と気合を入れて臨んだ。7回も好機を広げる安打を放つなど、決勝打を含む3安打2打点で勝利に貢献。三つ巴のV争いに待ったをかけた。

 7日。東洋大の恩師・高橋前監督の訃報が届いた。「本当にショックだった」。在学中は一度も褒めてくれなかった監督に2度、歯向かった。最初は3年時。主将に指名され「4年生がいるのにできません」と拒否した。4年生になってプロ入りを意識し始めた頃に「社会人に進んでその後に東洋大の監督を目指せ」と言われたが「どうしてもプロで勝負したい」と、ここでも拒んだ。数年後、高橋氏は「2回も逆らったのは大地ぐらい。でも大地はそれぐらいの(見込んでいた)存在だったんだよ」と懐かしそうに語っていた。

 技術指導を受けた記憶はない。人間力と精神力を学んだからこそ、この日もここぞの場面で勝負強さを発揮した。開幕直前にかけた電話が最後の会話になったが、いつも心には恩師の存在がある。

 「シーズンが終わって(墓前に)リーグ優勝と日本一を報告できれば」と鈴木大。残り16試合。諦めることが大嫌いだった恩師の教えを、今こそ見せる。(重光 晋太郎)

 ▽東洋大時代の鈴木大 1年春から東都リーグ戦に出場し、秋からは三塁に定着。3年春は4番に座り、打率・340で自身初のベストナインに輝いた。4年時は主将を務め、通算5度(春4度、秋1度)のリーグ優勝に貢献。3年春から4季連続ベストナインを受賞し、リーグ通算88試合で打率・289、3本塁打、28打点。また3年春は世界選手権、4年時には日米野球と2度の国際大会を経験。世界選手権では主に「3番・三塁」として銅メダルを獲得した。

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2022年9月13日のニュース