ドジャース・由伸 直撃ライナー“マトリックス捕り”で2勝目もつかんだ

[ 2024年4月27日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース2-1ナショナルズ ( 2024年4月25日    ワシントン )

<ナショナルズ・ドジャース>5回、ロサリオの投直を好捕する山本(撮影・光山 貴大)
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 スーパーキャッチで白星もつかんだ。ドジャース・山本由伸投手(25)が25日(日本時間26日)、敵地でのナショナルズ戦で6回4安打無失点と好投しメジャー2勝目を挙げた。5回にはあわや顔面直撃の強烈なライナーを、のけ反りながら好捕。三塁を踏ませない好投に加えて、オリックス時代にゴールデングラブ賞3度受賞の守備力を披露し、チームを今季2度目の4連勝に導いた。

 膝を折り、のけ反りながらグラブを差し出した。危機一髪、顔面直撃を回避。山本のスーパーキャッチは、5回だ。先頭・ロサリオの104・8マイル(約168・7キロ)の弾丸ライナー。一瞬、静まった敵地も大きな拍手で称えた。

 「まあびっくりしましたけど、びっくりする間もなくボールが目の前にあった。たまたま反応できた。運が良かったです」

 地元メディア「ドジャース・ネーション」は「山本が今年最もクレージーなキャッチを見せた」とし、球団公式SNSも「由伸の反射神経は異常だ」と絶賛。直後にマウンドに駆けつけたデーブ・ロバーツ監督は「“死ぬかと思った”と言っていたよ」と明かした。日本でゴールデングラブ賞3度の右腕。映画「マトリックス」でキアヌ・リーブスが弾丸をよけたシーンのような身のこなしだった。

 投球も抜群。4失点した前回登板で24%だった直球を、この日は41%に増やした。前回12球だった直球のストライク(空振り、見逃し、ファウルの合計)は、最速97マイル(約156キロ)を計測したこの日、ほぼ倍増の23球。前回0だったファウルが6に増えるなど、本来の球威を取り戻した。「とにかく良いコースに投げられた。ファウルもたくさん取れたし、基本的に良いボールが多かった」という直球が変化球も生かした。全97球中ストライク70球で、脅威のストライク率72%。19年オリックスで同僚だったメネセスに2安打されたが、三塁を踏ませなかった。「ここまでの中では一番、自分らしいピッチングだったかな」と山本が言えば、指揮官も「おそらく総合的にはこれまでで最高の投球」と称えた。

 1回5失点で防御率45・00だったデビュー戦を除き、最近5試合は防御率2・00で通算3・54まで減少。「とにかくコントロールもストレートもピッチングの基本の部分になってくると思う。そこは大事にしていけたら」。山本の本領発揮はこれからだ。(杉浦 大介通信員)

 ▽映画「マトリックス」  99年に米国で公開されたキアヌ・リーブス主演のSFアクション映画。SFX(特殊撮影技術)やコンピューターグラフィックスなどを駆使し、近未来を描いた作品で当時「映像革命」などと評価され、「視覚効果賞」などアカデミー賞4部門を受賞。03年に続編の「マトリックス リローデッド」と「マトリックス レボリューションズ」、21年には「マトリックス レザレクションズ」が公開された。

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