引退決断の阪神・糸井 おんぶした記者が実感した鍛え抜かれた肉体と努力の重さ

[ 2022年9月13日 07:00 ]

20年1月、自主トレ地の浦添で糸井に肩を組まれる長谷川記者

 【記者フリートーク】世間は糸井に対して「超人」、「自由奔放」などというイメージを持っているだろう。しかし本来の姿は異なる。とてもストイックで、非常に真面目だ。

 19年10月には左足首を手術。2軍施設でリハビリに励んでいた時のことだ。「おんぶしてくれんか」。松葉づえをつく糸井から冗談半分の依頼を受けてトレーニング室まで数メートルの距離を背負ったことがある。まるでよろいのように鍛え抜かれた肉体を背中で感じ、驚かされた。

 実は当時も自宅で筋力トレーニングを行ってから、球団施設で“おかわり練習”することが日課だった。近年は右膝に度々水がたまり、右膝痛に悩まされてきた。その度に注射で水を抜く治療を受けるなど、満身創痍(そうい)だったが、遠征中でも、休日でも一人で自主練習を行うなど、努力を続けた。

 その一方で2軍生活が続いた今季は若手とも対等に接してきた。高卒4年目の小幡が「大先輩ですけど、年が近い感じで、接してくれます」と証言。18年に通算150本塁打を達成した際の記念Tシャツや、バットも惜しみなく若手選手にプレゼントしていた。若虎にとっては憧れの存在。私も“いろんな顔”を持つ糸井の人柄にひきつけられた一人だ。(阪神担当・長谷川 凡記)

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2022年9月13日のニュース