ついに並んだ55号!王貞治氏が語る村上の凄さ「彼のホームランは日本で一番の強烈さを持っている」

[ 2022年9月13日 21:55 ]

<ヤ・巨>9回、55号となるソロを放った村上(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が13日、巨人戦(神宮)で4回に54号ソロ、9回に55号3ランを放ち、ついに歴代日本選手最多1964年王貞治(巨人)のシーズン55本塁打という偉大な記録に並んだ。ソフトバンク・王貞治球団会長(82)が、自身が64年に記録した55号に並んだヤクルト・村上の打撃の凄さ、今後への期待などについて語った。

 ――自身も四球は多かったが、村上も既に100を超えている。警戒される中で活躍する難しさは。

 「難しい球を無理して打つことはない。いわゆる失投というか、ホームランになるボールは必ず来る。それを逃さないで打つだけでいい。四球は止めようがない。だから我慢。四球だったら“よし、次の打席”と切り替えて。切り替えをうまくやればいい。彼はそれが十分にできているんじゃないかな」

 ――ヤクルトが負けられない中で、個人の記録にどう向き合うか。

 「チームが優勝争いしていると他の選手たちも燃えている。そういう中でやれるのはいい。例えば最下位にいて、他の選手が“もう消化試合だ”と言っていて、一人で頑張る方がむしろ大変。もちろん(ヤクルトは)優勝に近いけど、チームが一つになって優勝を決めるまでは、みんながその気持ちになってやるわけだから。彼にとって良い状況なのではないか」

 ――村上は22歳、自身は24歳で55本。

 「彼は5年目でここまで来てしまった。今まで5年目でここまで来た選手はいない。誰も歩んだことないところを一人で歩んでいく。常に自分が切り開いていかないといけない。ただ、ここまでの彼を見たら、十分それはできると思う。一本打ったら、また次を考えれば良い。打ったことは過ぎたことだから。次の一本にチャレンジしていけばいい」

 ――交流戦で千賀、嘉弥真から難しい球を打った。

 「非常に凄いホームランだった。僕はオリンピックで彼が打ったホームランも見ているし、体勢をちょっとを崩されてもホームランにするような応用力もどんどん身についてきている。彼の中では、バッティングの迷いはないと思う。ホームランは、そんなコンスタントに出るものではない。2試合3試合4試合出なくても、次、普通にやっていれば、また1本、2本と出る。だから自信を持っていけばいい。強烈さは、やはり見る者の胸に飛び込んでくる。彼のホームランは日本で一番の強烈さを持っている。これからもファンの人は彼のホームランを楽しみにグラウンドに来てくれる。テレビで見るんじゃなくて、実物を見たいと思わせる選手、自分でグラウンドに足を運んでバットを振るところを見たいと思わせる選手になったということは、素晴らしい」

 ――最近、バットを下から出してホームランを狙う選手が非常に多い中で、彼の場合は叩いてスピンをかけている印象。自身も叩いて本塁打を打っていた。

 「フライボール革命というのは一時の流行だと思う。もともと無理があると思う。引力があるんだから、下から上へ、というのはなかなか…。物は上から下に落ちるわけだからね。上から下に打ち込んで(バックスピンをかけて)いけば遠くへ上がっていく。丸と丸だからね。丸と丸が当たって、バットが(ボールの)上に当たればボールは下にいく。叩くという感覚で言えばボールは上がると。僕らの時代もそういうのでやってきた。そのこと自体は良かったと思っていますね。村上君もそういう思いを持ってやってくれていたのであれば、彼は彼なりに、ホームランを打つこつを捉えているんだなと思います」

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