ミキハウスの4年目右腕・渋谷が3回無失点で逆転勝ち呼んだ 原点はPL学園での3年間

[ 2022年9月13日 16:16 ]

第47回社会人野球日本選手権大会 近畿最終予選敗者復活1回戦   ミキハウス13―2履正社学園 ( 2022年9月13日    わかさスタジアム京都 )

3回無失点の好投で逆転勝ちを呼び込んだミキハウス・渋谷
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 19年ぶり3度目の本戦出場を狙うミキハウスが中盤の猛攻で、履正社学園を7回コールドで圧倒した。2回までに2点を先制される苦しい立ち上がり。逆転勝ちへの流れを呼び込んだのは最速150キロ右腕の渋谷勇将だった。

 「流れを変えて、チームに勢いをつけることだけを考えて投げました。リズム良く、自分の持ち味を出せたと思います」

 2番手として3回から登板。威力あるストレートとスライダーがさえ、3イニングを無失点に封じた。唯一のピンチだった1―2の5回2死三塁も、力強い直球で横井川功樹を左飛。直後の攻撃で味方打線が大量9点を挙げ、公式戦での自身初勝利が転がり込んだ。

 意識改革が4年目の成長を呼んだ。常時140キロ台後半を計測するストレートを持ちながらも、過去3シーズンは目立った活躍はなし。イニングの先頭で四球を与えるなど、制球に不安を抱えていた。だが、松崎伸吾投手コーチからの進言もあり「細かいことにとらわれず、ストライクゾーンに強い球を投げることに集中するようになった」。オープン戦でも徐々に結果を残しはじめ、7日の島津製作所戦でもわずか8球で1回を3者凡退に封じていた。

 「自分には野球センスがない。でもPLの3年間で、あきらめずコツコツと練習を続けることで、結果が出ることも学びました」

 野球人生の原点となっているのが、PL学園での3年間だ。甲南中(兵庫)では軟式野球部に所属。硬式野球のエリートが集う名門にあって、入学時の投手としての位置づけは12、13番手だった。「自分がやらなければいけないことを自分なりに考えて、あきらめず練習していました」。高2秋になって、初めてベンチ入り。地道な努力はその後も続き、高3夏にはついに背番号「1」を手に入れるまでになった。

 這い上がった高校時代の3年間が支えとなり、ミキハウスでも腐ることなく野球に打ち込んできた。

 「これまでずっと栗山さん、高橋さんに負担ばかりをかけてきた。自分が投げて、チームが勝つ、ということを目標にやってきました。ここから少しでもそういう形をつくっていけるように。そうなれば、チーム力も上がっていくことになると思いますので」

 ミキハウスが常勝軍団になっていくためには、絶対エース・栗山拓巳、高橋康平の2枚看板に続く投手の台頭は必須条件。渋谷が3番手の座を虎視眈々(たんたん)と狙う。

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2022年9月13日のニュース