学法福島 一度は逆転も聖地初白星ならず、モール攻撃には手応え

[ 2020年12月28日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   学法福島12―64尾道 ( 2020年12月27日    花園ラグビー場 )

<尾道・学法福島>前半、尾道の突破を止める学法福島の選手たち(撮影・坂田 高浩)
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 6年ぶり2度目出場の学法福島は尾道(広島)に12―64で敗れた。前半10分に得意のモールで押し込み、プロップ吉田潤一朗(3年)がトライを決めて逆転。後半も重量級FWが徹底したモール攻撃で相手を苦しめたが、展開力と走力を生かす尾道のバックス陣にトライを量産され、花園初白星は挙げられなかった。

 花園でも、重戦車はゴールラインに向かって突き進んだ。0―5の前半10分、平均体重100キロを超える学法福島のFW陣が尾道の壁を破る。22メートルラインを越え、残り10メートル、5メートル。最後はチーム最重量125キロのプロップ吉田が持ち出して、インゴールに飛び込んだ。コンバージョンキックも決め、強豪相手に一時逆転した。

 後半17分にも、敵陣5メートルから再びモールで押し込み、最後はSH渡辺辰徳主将(3年)がトライ。「自分は置くだけでした。FWが意地でつくってれた」と頼もしい仲間のチャンスメークに感謝した。信じ続けてきた伝統のモールは、間違いなく全国でも通用した。

 平均体重で約15キロ上回り、パワーでは圧倒したものの、相手のバックス陣のスピードに対応することができなかった。左右を広く使う素早い展開ラグビーでトライを量産され、大量失点した。

 それでも、最後の最後まで代名詞にこだわった。県内では「モールでは勝てない」と言われ、一度は封印することもあったが、今年は強力なコーチ陣の指導を受け、パターンを増やし、細かい技術を習得した。試合前にはユニホームにお札を置いて塩をまくなど、“今年はひと味違う”という意識を植え付け、武器に磨きを掛けた。

 花園初勝利はお預けとなったが、モールには大きな手応えをつかんだ。渡辺主将は「前を向いてプレーできた。やってきたモールでトライが取れて良かった」と満足げだった。信念を貫き通した学法福島フィフティーンは、胸を張って福島に帰る。

 ≪田中監督もFW活躍納得≫学法福島の田中瑞己監督(47)も納得のFW陣の活躍だった。武器のモールでのトライに「通用することを実感できたと思う。いいトライが2つ取れた」とうなずいた。今年はスクール出身者が過去最多の8人と、例年以上に質の高いラグビーをつくり上げてきた。涙を流す選手を見つめ、「子供たちは思い切ってやってくれた」とねぎらった。

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