朝比奈 まさか初戦敗退 医大での勉強との両立難しく「準備不足」

[ 2020年12月28日 05:30 ]

柔道 全日本女子選手権 ( 2020年12月27日    東京・講道館 )

初戦の2回戦で、桑形萌花(左)に敗れた朝比奈沙羅
Photo By 代表撮影

 体重無差別で争われる柔道女子日本一を決める伝統の大会は第1シードで東京五輪78キロ超級代表補欠の朝比奈沙羅(24=ビッグツリー)が初戦の2回戦で敗退する波乱があった。医師を目指して今年4月に独協医大に入学。自らいばらの道を選んだが、両立の難しさに直面する結果となった。大会は冨田若春(わかば、23=コマツ)が初優勝し、24年パリ五輪代表に名乗りを上げた。

 開始2分すぎ、無観客の講道館に朝比奈の荒い呼吸が響き始めた。70キロ級の新鋭・桑形に右釣り手を封じられて技が出ず、動き回られて体力を削られた。両者指導2となってから粘りを見せたが、延長4分34秒、3つ目の指導を受けて反則負け。10カ月ぶりの実戦はあっけなく終わった。

 「勉強と柔道のどちらも言い訳にしたくない。試合に対する準備が不足していた」。4月に大学のある栃木県に居を移し、畳上での稽古は近隣の強豪高校で週4日ほど。不足分を最新鋭のトレーニングで補い「強くなれると証明したい」と決意を持って臨んだが厳しい現実に直面した。

 東京五輪は7カ月後。改めて「やると決めたからには責任を持って、どちらも真剣にやる」と話す。規定上、正代表と同様に補欠も朝比奈自身が勝ち取った権利。女子日本代表の増地克之監督は「敗戦を今後どう生かすか」とハッパを掛ける。18年世界女王の名にかけても、このまま終わるわけにはいかない。

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2020年12月28日のニュース