函館ラサール 旗印「オールウェイズ・アタック」貫くも花園初勝利ならず

[ 2020年12月28日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会1回戦   函館ラサール14―69長崎北陽台 ( 2020年12月27日    花園ラグビー場 )

<長崎北陽台・函館ラサール>前半、函館ラサール・川村はトライを決める(撮影・大森 寛明)
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 記念大会の出場校数増で3年ぶり3度目の出場を果たした北海道第3代表の函館ラサールは、長崎北陽台(長崎)との初戦に14―69で敗れた。花園初勝利の夢を次の代に引き継ぐ。

 感極まった。宇佐見純平監督(39)が思い出したのは函館の人々の声。花園出場決定後、近所の商店街やタクシー車内…あらゆる場所で声を掛けられた。「今年はコロナでいいことがなかったけど、ラサールのラグビーが全国に出てくれて本当に良かった」――。

 花園常連校を相手に全てを出し切ろうと決めた。「テレビなどで見てくれる方に、何か少しでも届けられるものがあればいいと思った」。部の旗印は「オールウェイズ・アタック」。意味には常に攻める、という直訳以上のものがある。「苦しい時も下を向かず前に出よう」。初出場した5年前の長崎北陽台戦(12―42)より点差は開いたが、就任1年目の指揮官は「少しは爪痕を残せた」と地元にメッセージを送ったフィフティーンに涙した。

 苦闘の時間が長かった中で、決めたことをやり抜いて2トライを奪った。前半5分にSO川村心馬(しんま、2年)が両チームを通じて初トライ。「受けて守ったら負け。守備も攻撃のように攻める」と全員で重圧を掛けて相手のパスミスを誘い、こぼれた球を持ち込んだ。試合終了間際の2本目は川村のハイパントから。司令塔は「ゴール前で上げて勝負に出る。1カ月ぐらい練習してきた」と言い、相手のファンブルを逃さずボール奪取したCTB安永匠吾(3年)は「集中して最後までできた結果のトライ」と胸を張った。

 来年3月の全国選抜大会出場を決めている新チームでは、川村が主将を務める。「コロナでいろいろあった年で、一番楽しかった試合。強くなって、ここに戻ってきたい」と誓った。

 ≪胸張る米重主将≫主将のSH米重皓己(3年)も涙をこぼした。「コロナの中で多くの人に支えられながらラグビーをしてきた。恩返しに、少しでも感動や勇気を与えられたらと思っていた」。寮生活の選手が多く、休校や活動自粛の期間に地元に帰った選手たちをつなぐ難しさに直面した年だった。全国大会出場の足跡を残し「やってきたことは間違っていなかった」と胸を張った。

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