羽生 王者の自覚「全力で自分の役割を全う」世界選手権で北京五輪3枠獲得へ

[ 2020年12月28日 05:30 ]

フィギュアスケート 全日本選手権最終日 ( 2020年12月27日    長野市ビッグハット )

<全日本フィギュアスケート選手権最終日>世界選手権の日本代表に選ばれ会見に臨む羽生結弦
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 日本スケート連盟は27日、来年3月22日開幕のフィギュアスケート世界選手権(ストックホルム)の日本代表選手を発表した。男子で全日本選手権5度目の優勝を果たした14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(26=ANA)も代表に決まり、コロナ禍で開催が不透明な中でも22年北京五輪の枠取りが懸かる大一番へ、自らの役割を全うすることを誓った。

 5年ぶりに全日本を制した羽生は、その責務を感じていた。「今回は全日本の王者として行く。日本代表の一人として、胸を張ってその試合で行動できるようにしていきたい。その上でいい演技もしっかりとやって、もちろん北京五輪に向けての枠も懸かってくる。全力で自分の役割を全うしたい」と力を込めた。

 チームジャパンをけん引する存在でもある。会見で本音をさらけ出さずにいた初出場の鍵山に「そういうのはいらないよ」と優しく語りかけた。羽生自身は初出場となった12年大会で3位。SP7位からフリー2位で合計3位に食い込んだ。鍵山へのアドバイスを求められると「僕自身、エネルギッシュさや、あの時にしかできない勢いであの順位にいけた」と振り返る。「(鍵山は)全日本でも優勝したいと言っていた。その気持ちにウソをつかないでほしい。その気持ちを胸に頑張ってほしい」と背中を押した。

 今大会は北京五輪に出場する最大3枠の獲得が懸かる。羽生は17年以来の頂点を狙う。「もちろんネーサン選手の動向は気になっている。僕自身がやるべきことはそれだけじゃなくて、やっぱり4回転アクセルだったり、このプログラムをどう進化させていくか、深めていくかが大切」と冷静に語った。

 別の意味でも役割を全うする。コロナ禍で行われた今大会は選手、観客が感染防止対策を徹底。「これをきっかけに、これからさらに感染拡大しないように気をつけようと思った方がたくさんいらっしゃった。開催されて良かったと思うと同時に、僕らこのメンバーでしっかりとその姿を世界にも日本にも見せていかないといけない」。多くの思いを胸に、王者が世界舞台に舞い戻る。

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