しぶこ育てた名コーチ・青木翔のらくらく上達講座(3)

[ 2020年1月24日 12:00 ]

練習用スイング解説を行う青木翔コーチ
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 渋野日向子のスイングコーチを務める青木翔氏の特別レッスン。第3回のテーマは、リズム感を身につけるドリルの実践です。ゴルフスイングでは、いかにリズムよくクラブを振るかによって、ミート率が変わってきます。「イチッ」「ニッ」「サーン」でも「チャー」「シュー」「メーン」でもいいので、自分なりのリズムやテンポでスイングする癖をつけましょう。

 どんなに腕やクラブの正しい使い方をマスターしても、それがぎこちなければ、スムーズなスイングにつながりません。他のスポーツにも言えることですが、ゴルフでもリズム感は大切です。

 そこでお勧めしたいのが、スイングづくりの基本ドリル第3弾「歩きながらボールを打つドリル」です。これは、渋野日向子プロが今でも行っているドリルで、自分のリズムやテンポを見つけることに有効です。

 手順としては、まず、ボールをドライバーショットと同じ高さにティーアップし、8Iを手にします。アドレスしたら、そのまま真後ろに一歩、約40センチ分下がりましょう。

 スイングのきっかけはテークバックからではなく、フォロースルーから行います。

 なぜなら、反動を利用したいからです。重い物を入れた段ボール箱を放り投げる際、必ず目標方向に一度投げる動作を行ってからバックスイングに入ると思います。それと同じ考え方です。反動を利用することによって、より大きなパワーでボールをヒットできます。

 右足を左足に寄せながらフォロースルーの形をつくったら、右足を一足分右斜め前に出しながらバックスイングを行います。トップオブスイングまでいったら、今度は左足を一足分左斜め前に踏み出しながら、ダウンスイングを行います。注意点としては、ダウンスイングで体を目標方向に突っ込まないように、左足を踏み込んでからインパクトを迎えましょう。

 体が突っ込むと、クラブヘッドがボールに当たらず、ゴムティーを打ってしまいます。また、ボールに近づくスピードは、自分が歩くスピードか、もしくはそれよりも少し速いぐらいのイメージでステップを踏んで下さい。

 スイングリズムとしては「イチッ」「ニッ」「サーンッ」です。細かく言うと、フォロースルーの形をつくるのが「イチッ」、右足を踏み出しながらクラブを上げるのが「ニッ」、左足を踏み込んでボールを打つ動作が「サーンッ」です。

 「イチッ」「ニッ」「サーン」にこだわらなくても構いません。「チャー」「シュー」「メーン」など自分なりにイメージしやすい言葉にします。ちなみに、渋野プロは「チャー」「シュー」「メーン」で、練習では声に出しながらボールを打っています。

 最終的に、右足よりも左足が前に出たクローズスタンスでボールを打つため、打球は自然とドローボールになります。10回ほど連続でこのドリルを行ったら、普通のスイングでボールを打ってみましょう。そこでいい当たりが出ればOKですが、ミスショットが出たら、このドリルを10回繰り返した後に普通に打ちます。いいショットが出るまで繰り返して下さい。

 最初は当たらないかもしれませんが、何度か行ううちに当たるようになります。ある程度ミート率が上がったら、8Iから5Wに替えて打ってみましょう。ボールをしっかりとヒットできれば、かなりレベルが上がったと判断して構いません。(取材協力=兵庫・樫山ゴルフランド)

 ◇青木 翔(あおき・しょう)1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の36歳。福岡大卒。11年からジュニアの指導を行い、12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。ジュニアやプロ育成に注力し、18年から渋野日向子とコーチ契約を結ぶ。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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