豪栄道 大関陥落…9度目“カド番”で力尽く「力がなかったということ」

[ 2020年1月24日 05:30 ]

大相撲初場所12日目 ( 2020年1月23日    両国国技館 )

朝乃山(左)に寄り切りで敗れる豪栄道(撮影・西尾 大助)
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 カド番の大関・豪栄道が関脇・朝乃山に寄り切られ、2場所連続負け越し。春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の関脇転落が決まった。優勝争いトップの平幕・正代、徳勝龍はともに1敗を守った。12日目を終え複数の平幕だけがトップに立つのは15日制が定着した1949年夏場所以降では初めて。2敗は大関・貴景勝1人となった。

 これまで“七転び八起き”してきた大関が、9度目のカド番で力尽きた。14年秋場所から5年半、史上10位の33場所務めてきた地位を豪栄道が失った。支度部屋では「力がなかったということ」と無念の表情。貴景勝、栃ノ心、高安に続き、4場所連続で大関がその座から滑り落ちた。

 若手の大関候補、朝乃山とは右の相四つ。先に左上手をつかんだものの「頭が上がって胸を合わされた」。身長で5センチ、体重で17キロも劣勢だけに、がっぷり組むと相手の圧力に抵抗できなかった。

 昨年11月、九州場所初日の遠藤戦で左足首を痛めて2日目から休場。回復が遅れ、今場所直前まで相撲を取れなかった。ただ、弱音は吐かない。かつて脇腹骨折した際、息をつくだけで痛み、患部にテーピングを施していても「蚊に刺されただけ」と言い張ったこともある。仮に体調万全でもかど番で心理的重圧がかかる場所。心配する母・沢井真弓さんには無料通信アプリ・LINE(ライン)で「大丈夫」と短い言葉を伝えただけだった。

 土俵下で見守った師匠の境川審判長(元小結・両国)は「来場所はご当地。勝負をかけるなら、そっちだろう。まだ戦う力はある」と地元大阪の春場所での巻き返しを期待。豪栄道はこの夜、都内の境川部屋で「明日はやります」と13日目も出場する意向を示した。23歳の貴景勝は昨年秋場所で12勝3敗とし、陥落決定の翌場所10勝以上の規定を満たし、大関復帰。33歳のベテランも世代交代にあらがう意地を見せたい。

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