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小網代「丸十丸」でクーラーボックスいっぱいのカワハギ 調理して30品 おなかいっぱい胸いっぱい

[ 2024年1月15日 07:15 ]

貴重な1匹を釣り上げた伊藤さん
Photo By スポニチ

 【釣り日和】「令和の北大路魯山人」こと伊藤克博さんは、月間30万PVの人気グルメサイト「食べ太郎.com」を運営。食材調達のために訪れたのは神奈川県小網代・丸十丸。狙うのはカワハギだ。

(餌取り名人攻略/予習をして1匹/) 小菅結香船長が操舵(そうだ)する船で挑むのはカワハギ。旬は身が厚くなる夏と肝が大きくなる今の時季。特に肝のうまさは千金に値する高級魚だ。
 しかしカワハギは「餌取り名人」の異名を持つほどに釣りの難易度が高く、テクニックを要する。果たして初心者の私に釣り上げることができるのだろうか。
 餌を付けて仕掛けを投げ入れる。初めの1時間はエソが1匹釣れただけで魚信はない。やがて1時間半が過ぎたころ。異質な感触の当たりがあった。予習しておいた通りに竿を静かに持ち上げ、落ち着いてリールを巻く。海面に揺らめいて見えてきた魚影はカワハギだ。
 こうしてカワハギを1匹はゲットすることができたが、それ以降は予習のかいなくゲストオンリーで終了。とはいっても食いしん坊にとっては何であれ釣れれば満足だ。
 さらに船長の協力で同船者の釣り上げたゲスト、また同行したスポニチ釣り担当のカワハギももらい受けて大漁の体となる。普段は冷蔵庫代わりになっているクーラーボックスも本望といったところだろう。
 宿に戻ってからは小菅裕二船長から未利用魚に対する思いなどを伺うことができた。そして女将から頂いた三浦大根などの野菜と共に、重くなったクーラーボックスを抱えて帰途に就いた。

(肝の濃厚なうまさ/) さあ、ここからが食べ太郎としての本分だ。今回は魚種が多い。調理に没頭していると気付けば30品にもなっていたので駆け足で紹介していこう。
 カワハギは包丁で切る感触がコリコリでいかにもうまそうだ。刺し身は肝じょう油、昆布締めは肝あえ、肝のバターソテー、ルイベと、肝のこってりした濃厚なうまさを楽しむ。
 天ぷらは三浦のニンジンの葉を合わせ、三浦大根でマース煮、ちり鍋に雑炊。ウニを塗って焼いた身は白石温麺にのせた。
 さばいて残った皮と腸は湯引き、心臓は串焼き、卵巣は塩漬け、頭の身は大根葉で菜飯、骨で取っただしで茶漬け。それからエラせんべい、骨せんべい、ひれ酒と余すところなくカワハギを堪能。
 さらにゲストのエソ、トラギス、オキゴンベ、キュウセン、キツネベラ、テンスは姿造り、姿揚げ、塩焼き、天ぷらそばなどに調理し、揚げトラギスはカレー風に。エソは練り物の原料ということもあり自家製のさつま揚げ。それらのアラで取っただしと三浦野菜で味噌汁を作り、最後はアラをポン酢でゲストを食べ尽くした。
 カワハギのうまさは言うまでもないが、普段はリリースされているゲストたちも十二分なうまみを持っており、食材としての価値があることを実感した。未利用魚を活用する未来は明るいに違いない。
 ちなみに恐竜のようなエソの頭で置物を製作中だ。また、なめして小銭入れでも作ろうとカワハギの皮は冷凍保存していることを付け加えておこう。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、小網代・丸十丸=(電)046(881)0100。出船は午前8時。乗合料金は9000円。

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