【コラム】戸塚啓

五輪代表18人の登録メンバー入りを巡る競争

[ 2016年5月7日 05:30 ]

会見中、笑顔を見せる手倉森監督
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 5月11日に行なわれるU-23日本代表のテストマッチが、熊本を中心とする震災の復興支援チャリティーマッチとなった。

 被災した人々のために、何をしたらいいのか。何をしないほうがいいのか。答えはひとつではない。そもそも、答えはないのかもしれない。

 いずれにせよ、震災に立ち向かう人々のために行動するのは、社会的な影響力を持つスポーツのチームとして必要なことではないかと思う。リオ五輪に出場するU-23日本代表がメッセージを発信することで、持続力のある復興支援が展開されていくことを願う。

 ガーナのA代表と対戦するメンバーは、五輪への強化とメンバーの絞り込みを両睨みする顔ぶれとなっている。主力のMF遠藤航(浦和)、南野拓実(ザルツブルク)、FW久保裕也(ヤングボーイズ)らが招集されていない一方で、最終予選に出場していないメンバーが8人含まれている。

 気になるのはサイドバックだろうか。

 最終予選に出場した左の山中亮輔(柏)、左右両サイドでプレーできる亀川諒史(福岡)に加え、右の候補として伊東幸敏(鹿島)とファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト)がリストアップされた。オランダ2部でプレーする際は、3月のポルトガル遠征に続く招集である。

 登録メンバーが18人まで絞られる五輪へ向けて、手倉森監督は複数ポジションでプレーできる選手の重要性を強調している。その意味では、すでにユーティリティー性をアピールしてきた亀川に加え、MFにも対応する際のアピールが期待される。スペシャリストの性格が強い伊東は、アップダウンの回数とクロスの精度を見せつけたい。

 チームで希少なレフティーの山中は、リスタートのキッカーを担ってきた。身体能力の高いガーナ相手に守備力を示し、リオ五輪へ前進したいはずだ。

 山中と同じ柏から選出された伊東は、「4-4-2のサイドアタッカー」(手倉森監督)としての起用が見込まれる。まずは攻撃面で特徴を発揮し、そのうえで守備面でも機能できるところを見せれば、緊急時にはサイドバックに対応する資質が輝きを増してくる。

 2列目からFWについては、テスト的な性格の浮かぶ選考となっている。ただ、所属クラブでインパクトを記した選手たちが選ばれているのは事実だ。五輪の出場権を獲得したことで、世代全体の競争力が高まっているのは好材料である。

 3か月後に迫るリオ五輪は、U23世代のゴールではない。あくまでも通過点だ。18人の登録メンバー入りを巡る競争は五輪での可能性はもちろん、W杯ロシア大会へ向けたA代表の底上げにもつながっていく。ガーナ戦直後のトゥーロン国際大会も見据えたサバイバルが、高いレベルで繰り広げられていくことを期待したい。(戸塚啓=スポーツライター)

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