【コラム】戸塚啓

停滞させてはいけない日本代表強化

[ 2014年12月19日 05:30 ]

理事会を前に渋い表情の(左から)福井特任理事、原専務理事、大仁会長
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 このままでいいのだろうか。ハビエル・アギーレ監督が八百長疑惑で告発された問題である。

 まだ告発が受理されていないし、起訴もされていない。とはいえ、スペインの検察当局が本格的な捜査に乗り出せば、アギーレ監督はスペインまで出頭する可能性が出てくる。裁判にどれぐらい時間がかかるのかも分からない。

 気がかりなのは、日本代表を包む空気である。

 来年1月のアジアカップを取材するのは、我々日本人メディアだけではない。外国人メディアにとっても、アギーレ監督の八百長問題は大きな関心事に成り得る。外国人メディアから追求される可能性は高い。「チームへの影響は?」といった形で、選手が質問されることも想定内だ。チーム全体が不要な雑音に包まれる。

 アジアカップ後の2月は、日本代表の活動はない。Jリーグが行われないこの時期は、欧州組を現地でチェックする好機である。アジアカップに招集しなかったものの、チームの戦力と考えられる選手──細貝、酒井宏、原口、柿谷、宮市らと直接的にコミュニケーションをはかることは、彼らのモチベーションを高める。現地での視察が大切な理由である。

 日本代表だけではない。来年はリオ五輪予選もスタートする。手倉森誠監督が指揮するチームには、アジアカップの予備登録メンバーが5人含まれている。この世代のチェックも、アギーレ監督の仕事には含まれるはずだ。日本サッカー協会は推移を見守るスタンスだが、本格的な捜査が始まれば、アギーレ監督はたびたび日本を留守にするかもしれない。選手をチェックする時間を、著しく削り取られてしまうことが想定される。

 そもそも、八百長の疑いをかけられている監督が求心力を発揮できるのか。彼の言葉が選手の胸の奥深くに届くのか。選手の闘争心を刺激するのか。僕にはそうは思えない。

 何よりも考えなければならないのは、日本代表の強化を停滞させないことだ。アギーレ監督をこのまま続投させても、問題を先送りするだけだと思うのである。(戸塚啓=スポーツライター)

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