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サッカーの恒久的な繁栄を考えるべき

8月17日埼玉スタジアムでの浦和対大分では、花火が打ち上げられた
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 J1リーグの2ステージ制以降への議論が、何となくひと段落した印象がある。

 J1の優勝争いは混戦模様で、残留争いも緊迫感を増している。来週には日本代表のテストマッチがあり、国内ではナビスコカップの準決勝も行なわれる。11月にも日本代表のテストマッチがあり、12月にはワールドカップブラジル大会の組み合わせが決まる。様々なイベントに押し流されるように、議論が途絶えてしまう気がしてならない。

 周囲の拒否反応を想定しつつ、それでも2ステージ制へ踏み切ったのだから、状況はそれだけ逼迫しているということだ。そうでなければ、理屈が合わない。「観客動員を増やしたい」といった表面的な理由だけでなく、どれぐらいの減収になってしまうのか。1ステージ制ではいくらの赤字になり、2ステージ制にすればどこまで補填できるのか。具体的な数字が示されれば、それなりの説得材料になる。そこまで明らかにするのは、具合が悪いのだろうか。体裁を取り繕っている場合ではない、と思うのだが。

 2ステージ制への移行でテレビ放送権などが売れれば、ひとまずリーグやクラブの経営は安定するのかもしれない。ただ、コンテンツとしての魅力を高めなければ、契約満了とともにスポンサーが撤退することも考えられる。

 アベノミクスの効果が中小企業や一般家庭にまで浸透したところで、小子高齢化社会へ突き進むことに変わりはない。子育や介護をしながら働く世代にスタジアムへ足を運んでもらうのは、これまで以上にハードルが上がる気がする。

 となると、サッカーそのものの魅力を高めつつ、スタジアム周りの環境を見直していく必要がある。すでに取り入れているクラブもあるが、子どもを預かってくれる託児施設を設けたり、最寄り駅からスタジアムへのアクセスを容易にするなどの改善策が必要ではないだろうか。

 お年寄りが公共交通機関を使って足を運ぶには、距離的に少し遠いスタジアムが多い。入場券を持っている人は、最寄り駅とスタジアムのシャトルバスを無料にするといったサービスを試験的に導入してもいいだろう。ワールドカップや海外の国際試合などでは、当たり前に行なわれているもののひとつだ。

 スポンサーについては、外国資本の参入を認めてもいいのではないか。ベトナムからJリーグにやってきた選手が活躍すれば、ベトナムのメディアは取り上げるだろう。現地のテレビや新聞などで露出が増えれば、ベトナムの企業は投資を検討するはずだ。

 クラブが外国人オーナーのオモチャにされたり、企業の宣伝目的にのみ使われたりするのは、もちろん避けなければならない。かといって、好き勝手なことをすれば企業イメージが傷つくのも事実である。商品価値が下がって購買が冷え込めば、企業はデメリットを被る。外国人オーナーとクラブ側の双方が納得できる着地点は、見つけられると思うのだが。

 2ステージ制への移行は、一時的な浮揚効果をもたらすかもしれない。ただ、日本社会の在り方に照らすと、サッカーの恒久的な繁栄につながるとは思えない。それこそ、100年構想を加速させる施策ではないだろう。それだけに、2ステージ制への移行と並行して、様々な見直しを進めていくべきだ。次世代へツケをまわしてはいけないのは、サッカーも政治も同じである。(戸塚啓=スポーツライター)

[ 2013年10月4日 06:00 ]

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