花組・柚香光 伝統の〝花男〟の重み「背負っていく」

[ 2020年8月8日 05:30 ]

「伝統の重さを痛感しています」と語る柚香光
Photo By スポニチ

 少女漫画の名作「はいからさんが通る」(9月5日まで宝塚大劇場、東京宝塚劇場は10月10日~11月15日)で、トップお披露目した花組・柚香光(ゆずか・れい)。生徒ら4人に新型コロナウイルス感染症の陽性者が出たため、現在は休演中だが、柚香の劇画から飛び出してきたような出で立ちが話題になった。

 実は彼女が同作で主演するのは2度目。まだ新進スターだった17年に同じ華優希を相手役に東京・日本青年館ホールなどで上演し大ヒットした。評判が良かったとはいえ、同じ作品でのお披露目は異例中の異例。本人も当初は「大劇場の空間を埋めるには勢いやキャラクター性だけでは到底かなわない」と戸惑いを隠せなかったが、それが逆に細やかな役作りに結びつき、組全体に伝染したのか初演時より何倍もパワーアップしていた。

 宝塚で最も歴史ある組で、しかも約12年ぶりに誕生した花組生え抜きトップとしても注目されている。「伝統の重さをすごく感じます。〝花男〟ということへの誇りと自信。(トップの象徴である)羽根は素直に〝重い〟と思いました。この華やかさ、重量感に決して自分がおしつぶされない、負けない真意を持って背負っていくことができたらいいな」。天性の華やかさに、自覚も備わった柚香がトップとして力強く踏み出した。(土谷美樹)

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る