月組・珠城りょう(上) 最後に皆で歌う曲 思いがリンク

[ 2019年10月5日 10:30 ]

「今の月組にぴったりな作品」と話す珠城りょう
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 月組トップスター珠城(たまき)りょう主演のミュージカル大作「I AM FROM AUSTRIA―故郷は甘き調べ―」が4日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(11月11日まで。東京宝塚劇場は11月29日~12月28日)。

 「エリザベート」「モーツァルト!」など、日本でも大ヒットしたミュージカルを生み出したウィーンが一昨年9月に制作した新作。両親が手がける老舗ホテルを「五つ星」にしようと奮闘する御曹司ジョージ(珠城)、お忍びでやってきたハリウッド女優(美園さくら)との恋模様も描くハートフルなミュージカルだ。

 等身大の若者を好演する珠城だが「このお話を頂いた時はウィーンの大作と言われても正直、ピンと来なくて」と、当初は戸惑いを隠せなかった。「でも、私たちが知らないということはお客様も知らないということであり、だからこそいろいろ自由に挑戦もできるんじゃないかな、と今はニュートラルに構えています」と頼もしく、大劇場の舞台でも堂々と演じた。

 6月にはウィーン版を観劇しカーテンコールに登壇。現地の空気も感じてきた。「最後に皆で歌う曲が今の月組にぴったり。美弥(るりか)さんが抜けて105期生が入ってきて、また組が新たな希望に向かって前に進んでいく。そういう思いがリンクしていて気持ちがグッと入ります」。宝塚にとっても新たな代表作になるか、注目を集めそうだ。(土谷美樹)

 ◇珠城りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ヶ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。16年9月、入団9年目と天海祐希(同7年目)に次ぐスピードでトップスター就任。14年からはダイキン工業のCMにも出演している。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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