真彩希帆(上) 固定観念を捨てて挑む憧れの歌姫

[ 2018年10月20日 11:48 ]

雪組公演「ファントム」(11・9~12・14宝塚大劇場、来年1・2~2・10東京宝塚劇場)

大好きな役に向き合うため、固定観念は「捨てた」と語る真彩希帆
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 宝塚きっての歌唱力を誇る雪組トップ娘役・真彩希帆が、オペラ座の若き歌姫・クリスティーヌを演じるミュージカル「ファントム」が11月9日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する(12月14日まで。東京宝塚劇場は来年1月2日〜2月10日)。

 幼い頃、宝塚で初めて上演された2004年版を見て感激し「スチル写真もCDもDVDも全部持ってます。CDは一時毎日聴いていたぐらい」。当然、自分にこの役が回ってくる、と分かった時は「跳びはねるぐらいうれしかった」と振り返る。

 しかし「見るのとやるのとでは大違い」(真彩)。音楽学校に入るまで男役志望だったこともあり「私が感じていたのはファントム目線でのクリスティーヌだった」。

 隅々まで頭に入っていたセリフも振りもいったんゼロに戻し、固定観念も捨てた。「ただ“作品が好きだ”という思いは大切だし、当時の経験は良かったと思っています。今は(トップスターの)望海(風斗)さんがつくられるエリックを、雪組の皆さんがつくっていこうとしているものを感じながらクリスティーヌとして自然に呼吸したい」。思いが強いからこそ、自分に納得いくよう大役に向き合う。今の真彩には強い覚悟が漂っていた。(土谷 美樹)

 ◇「ファントム」 ガストン・ルルー原作の「オペラ座の怪人」をもとに1991年に生まれたミュージカル。宝塚では04年に和央ようか主演の宙組で初演され06年には花組・春野寿美礼、11年に花組・蘭寿とむ主演で大ヒットした。

 ◆真彩 希帆(まあや・きほ)7月7日生まれ、埼玉県蕨市出身。関東国際高を経て12年初舞台。花組に配属され14年11月、星組へ。16年1月「鈴蘭(ル・ミュゲ)」でバウホール初ヒロイン。同年「こうもり」で新人公演初ヒロインを務め昨年1月、雪組に組替え。同7月、トップ娘役に就任した。身長1メートル64。愛称「きぃちゃん」。

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