佐藤天彦九段 対局でマスク不着用で初の反則負け 永瀬王座が関係者へ指摘 佐藤康光会長の判断で決定

[ 2022年10月30日 05:05 ]

佐藤天彦九段
Photo By 共同

 将棋で3期連続名人の実績を持つ佐藤天彦九段(34)が28日の対局でマスク不着用による反則負けを喫した。

 東京都渋谷区の将棋会館で行われたA級順位戦で午前10時から永瀬拓矢王座(30)と対戦した佐藤は、局面が大詰めに入った午後11時過ぎ、マスクを外して約1時間指し続けた。日本将棋連盟は今年2月、新型コロナ感染防止策として臨時対局規定を制定。それまではマスク着用は「推奨」にとどめていたが、対局相手が長時間マスクを外すことを嫌う棋士も出始めたため、連盟は着用を義務化した。期間は「当面の間」。健康上の理由以外で違反した場合は反則負けとなる。

 この日は佐藤がマスクを外して約30分後に対局相手の永瀬が関係者に指摘。連絡を受けた連盟の鈴木大介理事が佐藤康光会長と協議し、最終的には同会長の判断で反則負けが決まった。対局が中断され、別室で判定を告げられた佐藤は驚きの表情で、「注意」や「警告」などがなかったと主張。鈴木理事は「注意をする義務はない」と反論を退けた。マスク着用の臨時規定違反で反則負けとなったのは今回が初。関係者によると佐藤は納得いかない様子で、1週間以内に常務会に提訴が可能との規定を確認し、帰途に就いたという。

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2022年10月30日のニュース