「鎌倉殿の13人」何を抜かった…横田栄司が語る和田義盛の壮絶ラスト「作るのも大変な鎧」「心から感謝」

[ 2022年10月30日 20:48 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第41話。無数の矢を全身に浴び、壮絶な最期を遂げる和田義盛(横田栄司・右)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は30日、第41話が放送され、鎌倉最大の激戦「和田合戦(和田義盛の乱)」(建暦3年、1213年)が描かれた。俳優の横田栄司(51)が熱演し、初回(1月9日)から登場してきた侍所別当・和田義盛は壮絶な最期。ドラマ随一の“愛され&癒やしキャラ”となった御家人最長老の退場に、SNS上には「和田義盛ロス」が広がった。横田がラストシーンの舞台裏を明かした。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げた。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑んだ。

 第41話は「義盛、お前に罪はない」。鎌倉を守るために大江広元(栗原英雄)とも共謀し、反北条の旗頭となった和田義盛(横田)の転落を目論む北条義時(小栗)。戦を回避するべく3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)と政子(小池栄子)が奔走する中、三浦義村(山本耕史)八田知家(市原隼人)ら有力御家人は義盛の陣営に集い、情勢を見定めていた。そんな中、父・義盛の安否を心配する三男・朝比奈義秀(栄信)らが打倒北条を目指して決起…という展開。

 北条の勝利が目前。実朝は直々に戰場に出向き、義盛を説得した。

 実朝「義盛!勝敗は決した。これ以上の争いは無用である。おとなしく、降参せよ」

 義盛「俺は…俺は羽林が憎くてこんなことをやったんじゃねぇんだ!」

 実朝「分かっている。(数歩、前に出て)義盛、おまえに罪はない。これからも、私に力を貸してくれ(義時と義村がアイコンタクト。義村は陣の後方へ)。私には、おまえが要るのだ!」

 義盛「(感涙)(泰時は異変を察知)もったいのうござりまする。その言葉を聞けただけで満足です。みんな、ここまでじゃ。聞いたか、これほどまでに鎌倉殿と心が通じ合った御家人が、他にいたか。我こそは、鎌倉随一の忠臣じゃ。みんな!胸を張れ!」

 しかし、降参した義盛に無数の矢が降り注ぐ。義時の騙し討ちだった。

 義時「お分かりか!これが鎌倉殿に取り入ろうとする者の、末路にござる」

 実朝は慟哭。泰時は戰場を去る義時を睨みつけた。非道な策を講じた義時だったが、戰場を背に1人去る時、涙がこみ上げ、顔を歪めた。

 「2日にわたって繰り広げられた和田合戦が、終結する」(語り・長澤まさみ)

 番組公式ツイッターに公開された「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」。義盛の最期について、横田は「巴さん(秋元才加)にも畠山重忠(中川大志)にも『おまえは生きろ』だとか『もうちょっと生きていようぜ、楽しいこともあるぞ』なんて言っていた人が、結局ああいう死に方をしてしまうのが、時代なのか、運命なのか。『和田義盛は何を抜かったんだろう』なんてことを考えながら演じていました。最期のシーンの、矢がいっぱい刺さった鎧というのは作るのも大変な鎧でして、本当にスタッフの皆さんに感謝しながら横たわっていました」と述懐。

 「本当に、立派な人物ではないのかもしれないですけども、真っすぐな男で、ウソをつかないし、最初の頃からあまりキャラクターがブレていない、数少ない1人なんじゃないでしょうか。三谷幸喜さんのおかげで、和田義盛という人物が、僕は日本の中で一番好きな日本人になったと自負しています。本当に愛らしいキャラクターで、それをつくってくださったスタッフさん、共演者の皆さんに本当に感謝しています。そして応援してくださった皆さま、和田義盛をかわいがってくださった皆さまに心から感謝しています」と謝辞を結びとした。

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