渡辺宙明さん死去 長男・渡辺俊幸氏「父の音楽家人生は実に幸せなもの」 ささきいさおらも追悼

[ 2022年6月28日 10:41 ]

渡辺宙明さん
Photo By 共同

 「マジンガーZ」「秘密戦隊ゴレンジャー」などアニメや特撮番組の主題歌を数多く手がけた作曲家の渡辺宙明(わたなべ・ちゅうめい、本名=みちあき)さんが23日午前4時、老衰による心不全のため96歳で死去。訃報を受け、長男で作曲家・編曲家・音楽プロデューサーの渡辺俊幸氏や、渡辺さんが作曲したアニメの主題歌を歌った歌手ら関係者が追悼コメントを寄せた。

 追悼コメントは以下の通り。

【渡辺俊幸 作曲家・編曲家・音楽プロデューサー】
私の父、渡辺宙明は、令和4年6月23日の明け方に老衰による心不全でこの世を去りました。就寝中に安らかに旅立って行きました。あまりに突然の事で息子として大きなショックを受けましたが、96歳という年齢を考えると大往生であったと思います。
父は、1956年、31歳の時に「人形佐七捕物帳 妖艶六死美人」(新東宝)の映画音楽を担当して以来96歳の現在まで65年間、現役の作曲家として過ごす事が出来ました。多くの方々が父の音楽を愛し支え続けてくださったおかげだと思っています。有難うございました。
90歳を過ぎても作曲を続ける意欲は衰える事はありませんでしたが、昨年、「機界戦隊ゼンカイジャー」の音楽を大石憲一郎さんとの共作で担当した時には、当時95歳の父のエネルギーとパワーに驚かされたものです。
映画、テレビドラマ、特撮もの、アニメ等様々な分野で数多くの作品を残し、世界の国々も含め多くのファンから愛され続けた父の音楽家人生は、実に幸せなものであったと思います。
今後も父が残した音楽が長きにわたって多くの方から愛され続ける事を心から願っています。

渡辺俊幸

【ささきいさお 歌手】
昨年3月に行った私の配信ライブコンサートは、コロナ禍の為、無観客で開催された。そこに宙明先生が「ささきさんの歌を聞いておきたいから」ということで、ひょっこりお出でになった。
車椅子に座りながら1時間余り、笑顔と拍手を絶やさず最後まで楽しそうにしていらしたのが忘れられない。
これからも、客席で先生が見ていらっしゃることを思い浮かべ、誠実に歌っていきたいと思います。
改めてご冥福をお祈りいたします。

【水木一郎 歌手】
宙明先生には「マジンガーZ」をはじめ、実にたくさんの歌を作っていただきました。そのどれもが、時代を越え、国境を越えて、世界中のファンに愛され続けています。
先生に出会わなかったら、今の僕はありません。先生と同じ時代を生き、アニメソングという新たなジャンルを切り開いていくことができて幸せです。そしてそれは、歌手をめざしたときから決められていた、運命的なことだったような気がします。
生涯現役を貫いた先生の生き方は、僕の目標です。くじけそうなときも、先生を思い出して、精一杯生きていきます。
宙明先生、いままで本当にありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。

水木一郎

【堀江美都子 歌手】
渡辺宙明先生のご逝去にあたり謹んでお悔やみ申し上げます。
長きに渡りご指導頂き感謝の言葉もありません。
秘密戦隊ゴレンジャー、サザエさんのうた、野球狂の詩、をはじめたくさんの曲を歌わせていただきました。
先生の曲には私の中に眠っているパワーを引き出してくださる力があって、その都度に勇気や向上心を掻き立ててくださいました。
レコーディングやコンサートでは「今日も素晴らしい歌唱でした。」といつも褒めてくださいましたし、プライベートでは私たちの健康を気遣ってくださり、肉と卵を食べなさい、甘いものと炭水化物は少なくね!と電話やメールで話してくださいました。
生涯現役で意欲的に作曲活動されていらした先生、先生の音楽に向き合う姿を忘れずに歌い続けて参ります、どうぞゆっくりお休みください。敬愛する渡辺宙明先生へ。堀江美都子。

【串田アキラ 歌手】
宙明先生 ありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

「太陽戦隊サンバルカン」から「ダイヤル回せ!ゼンリョクゼンカイオー」まで
数えきれないほど曲を書いて頂きました。エピソードもいっぱいあります。

倒れたら立ち上がり 前よりも強くなれ
「強さは愛だ」のこの歌詞が大好きだった先生のSoul 忘れません
大先生だけど親のような 簡単にはわからない深―い優しさがあった。
頑張ることの勇気も教えてくれた。

「串田さんはね 80歳までバリバリ歌えますよ。
私はね 100歳になっても作曲しますよ!」
と言ってたのに 早過ぎるよ

先生がテレビ出演されたのを観て 感想をメールしたら
「串田さん、どうもありがとう」と それが最後のメールでした。
今でもまだ先生から電話がかかってきそうです。

これからも 宙明先生の曲 大切に歌い続けます。

串田アキラ 

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