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矢沢永吉少年の誓い「絶対BIGになってやる」 才能やスキルを磨き続け体現

[ 2022年6月28日 11:30 ]

デビュー50周年 矢沢の金言(3)

1980年に2度目の日本武道館ライブを行った矢沢永吉。BIGを象徴するステージとなった
Photo By 提供写真

 極貧の少年時代に味わった屈辱を機に生まれた「絶対BIGになってやる」という誓いの言葉は、野心むき出しで芸能界に現れた矢沢永吉を象徴した。

 「BIGになる」という極めて抽象的で、日常で使うと眉をひそめられかねない言葉が、なぜ成功を夢見る若者たちの指針となったのか。それは矢沢が日本のロックシンガーで初めて長者番付1位(歌手部門)になるなど、感覚的だった「BIG」を生々しく体現したからだろう。実際1978年に発表し、100万部を超える大ベストセラーとなった初の著書「成りあがり」にも副題に「How to be BIG」とある。

 そもそも「成りあがり」だって本来は卑下する言葉なのに、矢沢が放つとどんな言葉でも昇華される。誰もマネできない、矢沢の唯一無比のパワーだ。

 20世紀を代表する米エンターテインメント界の帝王、フランク・シナトラ(98年他界、享年82)に次のような名言がある。

 「The best revenge is massive success」(最高のリベンジとは圧倒的な成功を収めること)

 2人の言葉には共通点がある。それは、リベンジの相手には目を向けず、自分の才能やスキルを磨くことに注力し、成功へまっしぐらに突き進んだことだ。

 つまり「BIG」とは、他者からの評価ではない。「自分」がどれだけの価値を他者に与えられたのか、それで決まるのだ。矢沢以降“BIG発言”で芸能界の地位を失った人は後を絶たないが、そこを理解していない。

 矢沢は言う。「BIGはお金じゃない。場所なんだ。自分のやりたいことが、誰にも頼らず、自分の力で思う存分にできる、でっかい場所。人生で大切なのは何よりも、自分が安心できる場所を手に入れることなんだ」

 くしくも矢沢が8月末の東京・国立競技場から始める50周年記念ツアーのタイトルは「MY WAY」。言わずと知れたシナトラの代表曲と同じ。「我が道」という言葉に、自力で切り開いてきた50年への自負がにじむ。

 今から10年前。矢沢は「時間よ止まれ」を作詞した故・山川啓介さん(享年72)に約20年ぶりに依頼し「LAST SONG」という歌を作った。

 ♪少年の俺が 今の俺に叫ぶ 旅を続けろと まだ歌えない My Last Song――。

 何者でもなかった、ただ夢だけを抱えていた、青き少年時代の矢沢が今も問い続ける。自分は何者で、矢沢とは何者なのか――。その答えはこれからも続く、マイウエーの先にある。(阿部 公輔)

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