高岡早紀 15歳時のデビュー曲をライブで披露 「子供の頃とは違う視点で歌ってる」

[ 2022年6月28日 08:00 ]

ブルーノート東京のステージで歌う高岡早紀(撮影・佐藤拓央)
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】女優で歌手の高岡早紀(49)が27日、東京・南青山のブルーノート東京でスペシャルライブを行った。

 夕方からの2回公演で、初回ステージの1曲目は「真夜中のサブリナ」。女優になる前の1988年、当時15歳で発売したデビュー・シングル曲だ。

 高岡は開演前、取材に応じ、この曲について「あの頃は歌詞の内容が全く分からなかった。想像しても想像し切れなくて、周りの大人たちの指導を受けながら、よく分からないまま懸命に歌った感じ。あれからいろいろな経験をして、今は、子供の頃の私とは全く違う視点で歌っています」と語った。

 ♪暗い鍵穴ぬけて ささやくルンバ 白い私の足に からみつくリズム…。そんな詞を歌う声は今、成熟し、艶やかで、聞く人をしっとりと包み込む。

 「歌詞にあるのは、初々しい恋心、ちょっと突っ張っている感じ。残念なことに、あの頃のようなピュアな歌い方をしようとしても心がそのようにはならない。今は、母親のように、あの頃の私を見つつ思いつつ歌っている感じです」

 中盤に歌った「太陽はひとりぼっち」は今月17日発売のニューシングル。89年に発売したファーストアルバム「Sabrina」の収録曲を、ファッションデザイナー・山本耀司氏のフランス語の「スポークン・ワード(詩を話すこと)」を交えてセルフカバーした曲だ。

 「耀司さんとは3年ほど前に私がダルメシアン(犬)の散歩をしている時に知り合いました。耀司さんも歌を歌っていることを知って、いつか機会があればご一緒したいと思っていて、ある日、散歩の途中で『太陽はひとりぼっち』を聞いてもらったら、とても気に入ってくれた。スポークン・ワードは耀司さんのアイデアで、エロチックというか、大人っぽくて最高です」

 この日のステージにも山本氏がゲストとして登場。「天は二物を与えず、というけれど、この人(高岡)みたいに三物、四物を与えられている人もいる」とたたえられると、照れ笑いを浮かべた。

 4月からフジテレビの情報番組「ポップUP!」に金曜レギュラーとして出演。デビュー以来初めてコメンテーターを務め、活動の幅を広げている。初回ステージの客席には番組で共演する同局の佐野瑞樹アナウンサーと山崎夕貴アナウンサーの姿があった。

 「いつもやっていることを大切にしつつ、何か新たなことをピックアップして、自分自身が常に新鮮でいたい。どんな仕事をしても、どんなことをしても、マイナスになることはなく、何かしらプラスになっていくと思っています。プラスにしていかなくちゃいけいない」

 8月20日からは舞台「毛皮のヴィーナス」に主演。俳優の溝端淳平とともに、自身初の本格的な2人芝居に挑む。

 「考えるだけで胸がどきどきします。2人芝居だからセリフの量が多くて、台本を開いたら『危ない!』と思ってしまう。やり出したら止まらなくなるので、今はまだ台本は閉じたままです」

 この日のステージは老舗のブルーノート東京。前夜は珍しく緊張で眠れない夜を過ごしたという。

 「夢のような場所に出させて頂きした。歌手活動を再開させてもらって良かった。ここに立たせて頂いて、みなさんに感謝しています」

 歌手デビューから34年。その歩みは力強さを増しながら続いていく。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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