広瀬八段 後手でも強気 渡辺王将「かなり複雑な局面になったのでは」 王将戦第3局第1日

[ 2020年2月9日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第3局第1日 ( 2020年2月8日    栃木県大田原市・ホテル花月 )

王将戦第3局に挑む(右から)渡辺明王将と広瀬章人八段(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 渡辺明王将(35)に広瀬章人八段(33)が挑む第3局が始まった。1勝1敗のがっぷり四つで迎えた仕切り直しの一戦は、先手の渡辺が誘導した角換わりを受ける広瀬が午前中から積極策をちらつかせ、後手番ながら主導権を握ろうと手を尽くす展開。午後6時、渡辺が63手目を封じて指し掛けとなった。対局再開は9日の午前9時。

 ともに先手番が1勝ずつ。サービスキープ合戦になりかけている番勝負で「ブレーク」の後手勝ちは宝石のように貴重だ。広瀬の狙いはそれしかない。まばゆいばかりの陽光が降り注ぎ、暖房をオフにするほど暖まった昼前の対局室で、確固たる意思を表示したのは44手目△8四飛(第1図)だ。

 デフォルトの8二からふわりと上昇する「浮き飛車」を選択した挑戦者。控室の長谷部浩平四段(25)は「8一に引く前例が多いのですが、これはアグレッシブに局面を動かしていく工夫の一手では」と分析した。飛車を一段目に引いてしまう凡庸な対応を選択した場合、先手の攻めを待たなければならない。つまり相手ペースになる。後手とはいえ、いつまでも受け身でいられるか。柔らかな広瀬の表情の裏には妥協を許さない決意が秘められていた。

 とは言っても、主導権を握るまでには至らない。渡辺の左桂が二段跳ねで自王の頭にじわじわ迫る。「結構激しいですね。第1日にしてはかなり急な展開だと思います」(広瀬)。62手目△2五歩=第1日指了図=は本来なら封じ手に温存しておきたい勝負手だったのか。持ち時間では48分のビハインド。この差を拡大されるのも味が悪い。

 片や必勝を自らに義務づける先手の王将も緊張の面持ちで「小競り合いが始まって、かなり複雑な局面になったのでは」と第1日を解析した。角換わりのスタートにもかかわらず相掛かり的な盤面。ともに銀1枚を前線に繰り出し、にらみ合う。両者の王も意地を張ったかのように中住まいだ。

 見た目は決して激戦ではないものの、肩肘を張り合いながら重心高く組み合っている格闘技のようだ。

 対局室の東空には9日、完全に満ちる寒月が鋭く輝いていた。

 《封じ手は?》▼正立会青野照市九段 [先]2五同飛。積極的に進んで悪いと思っていない。本人がGOサインを出している。

 ▼副立会中座真七段 [先]2五同飛ではないか。飛車が逃げるようでは気合負け。ここは強気に歩を取る。

 ▼記録係滝口勇作初段 [先]2五同飛。小競り合いが始まった状態で、自分は引かないという思いの表れ。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「三浦春馬」特集記事

2020年2月9日のニュース