漫画でSDGsの認知率向上を!出版社の垣根越え作品集発売へ

[ 2020年1月22日 16:39 ]

SDGs×マンガのチカラ製作発表記者会見に登壇したメンバーたち(撮影・木村 揚輔)
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 漫画家18人による「SDGs」(エスディージーズ=持続可能な開発目標)を題材にした作品集が初夏に発売されることが22日、都内で発表された。出版社の垣根を越えて地球規模の問題に取り組んでいく。

 この日、都内で開かれた新プロジェクト「SDGs×マンガのチカラ」制作発表会見には、「惨劇館」の御茶漬海苔氏、「味いちもんめ」の倉田よしみ氏、「Dr.コトー診療所」の山田貴敏氏、「怨み屋本舗」の栗原正尚氏、「CAとお呼びっ!」の花津ハナヨ氏、「マイコン刑事」の下條よしあき氏、「西日暮里ブルース」のピョコタン氏、「まいっちんぐマチ子先生」のえびはら武司氏、「OLヴィジュアル系」のかなつ久美氏、「つるピカハゲ丸くん」ののむらしんぼ氏、「少年アシベ」の森下裕美氏、「ブラックエンジェルズ」の平松伸二氏、「長谷部さんのいる野球部」の上野祥吾氏、「パギャル!」の浜田ブリトニー氏と世代を超えて親しまれている漫画家がそろい踏み。仕事などの都合で欠席した「GTO」の藤沢とおる氏、「エリア88」の新谷かおる氏、「キャンディ・キャンディ」のいがらしゆみこ氏、「課長島耕作」の弘兼憲史氏の4人もそれぞれコメントを寄せた。

 平松氏は「勧善懲悪の作品を書いてド外道たちをやっつけてきた。最初SDGsと聞いて意味を考えたら“スーパー・ド外道たち”のことかと思った」と自身の作風に絡めたユーモアたっぷり。SDGsが掲げる目標の1つ「平和で公正な社会」をテーマにした漫画を書き下ろし「国連や外務省が絡んでいるから流血させてはいけない」とニヤリ。ラグビーを題材に書いたことを明らかにした。ピョコタン氏はSDGsを目指す意義は「地球上の誰1人取り残さないこと」とし「漫画界の底辺にいる私にまで取り残さず声をかけていただいた」と独特の表現でプロジェクトに参加出来た喜びを口にした。

 SDGsは貧困や飢餓、エネルギーなど地球全体が抱える課題を解決するために国連が定めた17の目標。今回のプロジェクトは「SDGs×マンガのチカラ」と題し、外務省も協力している。趣旨に賛同した漫画家17人がそれぞれ「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など1人1つの目標を漫画で描き下ろす。上野氏が巻頭・巻末の漫画を手掛けており、プロジェクトに参加した漫画家は計18人となる。

 呼びかけ人の浜田は「日本でのSDGs認知率はまだ18%ぐらい。プロジェクトに参加していただいた先生方が手掛けた作品の高い知名度を生かして、認知率100%を目指す」と意欲。気合いを入れるために約10年ぶりにギャルメークを復活させてイベントに臨み「このまま家に帰って、1歳の娘が見たら泣くかも」と笑った。

 作品集のタイトルは未定。巻頭・巻末の漫画はこの日から公式サイトで無料公開される。講談社から初夏に出版を予定している。収益はプロジェクトの活動資金にあてられる見通し。

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