【女優助演賞】池脇千鶴 絶妙「生活感」自然体の母親役 新人賞から20年 映画への思い不変

[ 2020年1月22日 05:30 ]

2019年毎日映画コンクール ( 2020年1月21日 )

「半世界」で母親役を好演し、女優助演賞を受賞した池脇千鶴(撮影・会津 智海)
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 脚本賞を受賞した阪本順治監督(61)の「半世界」の演技で池脇千鶴(38)が女優助演賞を射止めた。「そこのみにて光輝く」(監督呉美保)以来、5年ぶり2度目の助演賞だ。

 「こうしてご褒美を頂けることで、またDVDで見てくださる方が増えたらいいし、さらに輪が広がっていけばうれしく思います」

 父親から窯を受け継いだ炭焼き職人の日常を家族や2人の同級生との関係性の中で描いた人間ドラマ。稲垣吾郎(46)演じる職人の妻を演じた。15歳の息子の母親役は初めての経験だった。

 「添え物でなく、妻として母として、一人の人間として監督が書いてくれた。インタビューとか読ませていただくと、私を“生活感の出せる人”っておっしゃってましたね」

 夜の営みを邪魔された時のうらめしそうなしぐさは絶妙で、いじめや進学問題を抱えた息子との距離感も自然体で表現。「(息子役の杉田雷麟と)小競り合いになる場面は、監督が雷麟君に“遠慮なく行け。大丈夫。池脇さん、全部受け止めてくれるから”と」

 この信頼感を「ありがたいです」とかみしめ、半世界どころか丸ごと阪本ワールドに溶け込んで応えた。

 「大阪物語」で新人賞を受賞したのは20年前。童顔も、そして映画への思いも不変。「30歳すぎの女性が主役の映画が日本では少ない」との提言が映画界を動かしていく。

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