【スポニチグランプリ新人賞】鈴鹿央士、豊かな感性で奏でた“天才” 映画初出演でピアニスト役

[ 2020年1月22日 05:30 ]

2019年毎日映画コンクール ( 2020年1月21日 )

鈴鹿央士
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 みずみずしい演技で魅了した新星に贈られるスポニチグランプリ新人賞には「蜜蜂と遠雷」の鈴鹿央士(20)と「町田くんの世界」の関水渚(21)が選ばれた。2人はそれぞれの言葉で飛躍を誓った。

 映画初出演でつかんだ勲章。「現実じゃないというか」と夢見心地の鈴鹿、初々しい笑顔に喜びがにじんだ。

 対象作「蜜蜂と遠雷」はピアノコンクールを舞台に、出場者同士が刺激し合って成長していく姿を描いた群像劇。その中で、16歳の天才ピアニスト・風間塵を演じた。

 台本に触るのも初めてで、石川慶監督(42)から読み方やセリフの覚え方を教わるところからスタート。役作りについては「“風間塵という役は鈴鹿君のものだから、自分の中で答えを出してください”と言われました。ピアノが大好きで、フランス在住で…と役のことを考えて“こんな感じかな?”というイメージを持って現場に行きました」

 劇中ではフランスの伝説的音楽家ホフマンに師事。「僕の中のホフマン先生は石川さん。現場で学んだことは今も意識してやっています」と、初めての現場で“師匠”と出会えたことに感謝した。

 印象に残っているのは、主演の松岡茉優(24)との連弾シーン。「撮影の前に、本読みで松岡さんにのまれました」と振り返る。言葉は出て来るが、感情が全くこもらない。「松岡さんは星でいっぱいの宇宙みたいな目をしていて。奥が深くて吸い込まれました」と詳細に説明した。一つのエピソードから、面白いワードが続々と出てくる。独自の感性の持ち主だ。

 「蜜蜂…」で華々しくデビューしたことで、「ふわっとは消えられないなと思います」と気を引き締める。各映画賞で次々と賞を受賞し「もう新人賞はもらえない。次は助演か、主演か。また賞を頂けるような俳優になりたいです」と目を輝かせた。

 次に演じたいのは「家族の物語」という。これも松岡の影響で「“作品で家族を演じた人は、特別な感じがするんだよ”って言っていた。僕にもそういう“家族”ができるといいなと思います」と意欲満々。キャリアが浅い分、監督や先輩俳優から受ける刺激は膨大だ。その視線は、既に次の作品に向かっている。

 ◆鈴鹿 央士(すずか・おうじ)2000年(平12)1月11日生まれ、岡山県出身の20歳。18年にファッション誌「メンズノンノ」専属モデルオーディションでグランプリを受賞。昨年は映画「決算!忠臣蔵」にも出演。1メートル78、血液型O。

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