【スポニチグランプリ新人賞】関水渚 芝居の世界にやみつき「やめられない」

[ 2020年1月22日 05:30 ]

2019年毎日映画コンクール ( 2020年1月21日 )

スポニチグランプリ新人賞に輝いた関水渚(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 みずみずしい演技で魅了した新星に贈られるスポニチグランプリ新人賞には「蜜蜂と遠雷」の鈴鹿央士(20)と「町田くんの世界」の関水渚(21)が選ばれた。2人はそれぞれの言葉で飛躍を誓った。

 「お芝居にやみつきになりました。もう、やめられないです」

 演技の世界にどっぷりハマった。

 初めての演技。初めての主演。その作品で新人賞を受賞した。関水は「うれしいです。まさか最初の作品で賞を頂けるなんて全然思ってなかったので。“えっ?いいんだ。私?”って」とはにかんだ。口角がクッと上がった笑顔の中に、まだ緊張感が漂っている。初々しさ抜群だ。

 「町田くんの世界」(監督石井裕也)は、こちらも無名の俳優細田佳央太(18)とのダブル主演作。見返りを求めずに人に無償の愛を注ぐ高校生「町田くん」(細田)が、対照的に「人が嫌い」という同級生の「猪原さん」(関水)に出会い人生が一変。「猪原さん」に対する恋心が芽生えた「町田くん」が、多くの人を巻き込んで成長していく青春物語だ。

 「猪原さん」は感情を素直に表現できない不器用な女子。関水はその思春期特有の感覚をしっかりと表現。「町田くん」に翻ろうされてイライラする姿も見事だった。「自分で生み出したものは何もなくて、全て教えていただいた。思った通りに演技ができなくて悔しいこともあったけど、現場に行きたくないと思うことは一度もなかったんです」

 1000人を超えるオーディションを勝ち抜いた。撮影前の3カ月間、石井監督の元で「気持ちを解放する」という独特なレッスンを受けた。怒る、喜ぶ、泣く、もんもんとするなど、感情をあらわにする練習。もちろん、簡単にはできない。「悩んだし、難しいし、つらかった。だけど、つらくても楽しかった」。芝居の面白さに引き込まれていった。

 芸能界入りは「石原さとみさんのようになりたい」と思ったことがきっかけ。中学2年時、ドラマで輝く石原に憧れた。「笑顔のパワーが凄い。人を幸せにする力がありますよね」。高校時代に石原の所属事務所のオーディションを受け、女優の道に進んだ。
 今回の役柄と同様に不器用なタイプ。「一つのことに集中しだすと、ほかのことが何も見えなくなる。もっと客観的に自分を見られるようになりたいんですけど」と話すが、その高い集中力が魅力。飛躍が楽しみな大器さんだ。

 ◆関水 渚(せきみず・なぎさ)1998年(平10)6月5日生まれ、神奈川県出身の21歳。公開中の映画「カイジ ファイナルゲーム」でヒロインを務め、現在は日本テレビ「知らなくていいコト」に出演中。高校時代は野球部のマネジャーで「スコアブックを付けられます」。1メートル59、血液型O。

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月22日のニュース