ピエール瀧被告初公判 ドイツに移住し音楽活動計画浮上「家族を養っていく責任がある」

[ 2019年6月6日 05:30 ]

ピエール瀧被告
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 麻薬取締法違反罪に問われているミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)の初公判が5日、東京地裁で開かれた。瀧被告は俳優としての仕事のストレスを発散するためにコカインを常用していたと告白。

 俳優業をやめ、家族の支えのもとで更生していくと誓った。薬物依存の治療後、ドイツに移住し音楽活動を展開していくプランがあることも分かった。

 瀧被告は黒いスーツに紺色のネクタイ姿で出廷した。4月4日の保釈時よりも髪の毛も短く刈り込み、ややふっくらした様子。証言台の前に立つと、はっきりした声で質問に応じた。

 小野裕信裁判長に職業を聞かれると「ミュージシャンをやっていましたが、事務所を解雇されたので無職と言えるかもしれません」と遠回しな表現で回答。石野卓球(51)と組むバンド「電気グルーヴ」の一員である自負をのぞかせた。
 小野裁判長に今後を聞かれ「楽曲制作は相方(石野)が主導しているけど、音楽を作ることはこれからもやっていきたい。バンドの中で足並みをそろえて、協力のもとでやっていかせてもらえたら」と、電気グルーヴで活動していくことを望んだ。「具体的に話をしているのか?」と問われると「彼(石野)の身の回りにも迷惑をかけてしまったし、そういう話には及んでいない」と述べるにとどめた。  
 
 しかし関係者によると、瀧被告の薬物依存の治療が終了後、ドイツを拠点に活動していくプランが浮上している。日本では復帰の道筋が険しいのに対し、ドイツは薬物事件の前科者に寛容な社会である上に、テクノの本場。電気グルーヴとしてもCDセールスが好調で、公演実績もある。瀧被告は「事務所を解雇されているので明るい展望はないに等しいが、私にも家族がいるので、どうにかして養っていく責任がある」と、わらにもすがる思いであることを明かした。

 更生の鍵を握るのは家族だ。瀧被告はコカインを常用した理由を「仕事のストレスを夜に1人で解消するためだった。深夜に帰ってきて(ストレスを発散するために)家族を起こすことには迷いがあった」と説明。妻は嘆願書で「注意して監督していきます」と更生に付き添う意思を示した。

 瀧被告のドイツ移住が実現した場合、現地でサポートできるかも鍵になりそうだ。瀧被告は「こんな事件を起こしても家内は離婚とかひと言も言わなかった」と感謝。保釈後は自宅で家族のために料理などの家事をしているという。

 コカインを譲り受けていた知人の通訳業の田坂真樹被告(48)の連絡先は消去し、コカインを使っていた別宅のマンションも今月末で賃貸契約を解約。「二度と手を出すことはありません」と話した。  
 
 検察側は懲役1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は今月18日。

 《実家ひっそり》静岡県静岡市にある瀧被告の実家はこの日、1、2階の窓のカーテンが閉められ、ひっそりと静まりかえっていた。父親はインターホン越しに「テレビで報道されている通りで、何も答えることはありません」とだけ述べた。

 《更生プログラム担当医師が証言》瀧被告は現在、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)に週1回通院し、更生プログラムを受けている。担当の医師が証人出廷し、瀧被告の状態について「依存度は軽症。依存症には該当しない」と述べた。

 臨床心理士によるプログラムは全24回で、瀧被告はこれまで4回受けた。終えるまで半年ほど要する見通し。同施設の「認知行動療法」は患者同士がグループディスカッションをするのが特徴だが、医師は「グループでやっているとマスコミが入ってきてしまう」と、瀧被告が特例で「個別」で受けていることを明かした。
 小野裁判長は「グループではなく個別で効果は?」と質問。医師は「(他の患者との)絆が生まれるメリットがないが、個別だと丁寧に治療が受けられる」と説明した。

 《傍聴券倍率60倍》瀧被告の初公判が開かれた東京地裁には、一般傍聴席21席に対して1266人が傍聴券を求めて長い列を作った。倍率は約60倍。待つ人の列は一時、数十メートルに及び、裁判の注目度の高さをうかがわせた。

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