佐々岡真司氏 中日苦しめた広島・九里の直球 新井監督も安心して9回送り出しただろう

[ 2023年5月11日 07:00 ]

セ・リーグ   広島4-0中日 ( 2023年5月10日    バンテリンD )

完封勝利を挙げ、ガッツポーズする九里(撮影・椎名 航)
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 【佐々岡真司 視点】九里は何より直球に強さがあった。直球の精度を上げるためオフからフォームを修正。外から見て大きく変わったわけではない。微妙なバランスや体の使い方など本人の感覚的なものだろう。微調整の段階だったキャンプ、オープン戦に比べ、うまくフィットしてきたことで直球の走りが良くなった。

 2回1死三塁からは鵜飼と木下にシュート系を含む速球で内角を厳しく突いて内野ゴロ。石川昂に対しては4回無死一塁では外角カットボールで二ゴロ併殺を取り、6回2死一、二塁では内角球で一邪飛に押し込んだ。特に右打者への内角球の制球が素晴らしく、より変化球も効いた。

 昨季までの対戦で中日には変化球の割合が多いというデータがあったのでは。各打者とも変化球に比べて直球への反応が鈍かった。もっと直球で押してもよかったくらいだ。イメージを逆手に取り、ゴロを取った。開幕から先発投手を100球前後で代えてきた新井監督が9回まで1人に任せたのは今回が初めて。それだけ安心できる内容だった。 (本紙評論家)

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