エンゼルス・大谷翔平 魔球“封印”で初黒星 急造バッテリーで新女房気配り被弾

[ 2023年5月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー3アストロズ ( 2023年5月9日    アナハイム )

<エンゼルス・アストロズ>5回、マルドナドに逆転2ランを浴びる大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(28)が9日(日本時間10日)、アストロズ戦で今季初黒星。「3番・投手兼DH」で7回6安打3失点も、自身も3打数無安打に終わるなど援護がなかった。7奪三振で通算奪三振数をベーブ・ルースを上回る507としたが、捕手の故障禍もあってクリス・オキー捕手(28)との急造バッテリーとなり、曲がり幅が大きい得意の「スイーパー」の投球数と変化量が激減。5回は同球種で逆転弾を浴びた。

 試合直前、大谷は相手捕手マルドナドとジェスチャーでやりとりした。18年の自身のメジャーデビューでバッテリーを組んだ元同僚が「セーフティーバントするぞ!」と言わんばかりのポーズ。笑顔で応えたが、試合では痛恨の一発を浴びた。

 「投げた位置も悪かったし僕の責任」と振り返ったのは1―0の5回1死二塁。マルドナドへの6球目、85・8マイル(約138キロ)のスイーパーが甘く入った。痛恨の逆転2ラン。さらに3連打で1点を失った。「痛いとかはなかった。気付いたら、という感じ」。右手中指の爪が割れ、気にする場面もあった。

 この日のキーワードは「捕手」だ。開幕からコンビを組んだオハピーが故障離脱し、過去3試合でコンビを組んだウォラクも首痛を訴え、3Aから緊急昇格のオキーとの急造バッテリー。2回は外角低めの必殺球スイーパーを捕球できず(記録は暴投)、振り逃げとなるシーンもあった。

 「見たことのない球、捕ったことがない球は捕りづらいと思う」と大谷。曲げすぎては捕れない。気配りと同時にバッテリーで投球を成立させるための判断を下す。スイーパーの曲がり幅はこの試合までの今季平均17インチ(約43・2センチ)から同15インチ(約38・1センチ)となり、投球割合も39%と今季最少。「(オキーの)ブロッキングのデータが分からない」とスプリットも1球のみだった。7回3失点と試合はつくるも5回の逆転被弾は曲がり幅が少なくしたスイーパー。7奪三振でベーブ・ルースの501を上回る通算507奪三振となったが、今季初黒星に笑顔はなかった。

 打撃も3打数無安打。大谷は「ロースコアは分かっていた。逆転されてしまったのが負けた要因」と責任を背負う。降板後は「より良い投球ができるように」とオキーと意見交換。次は全力で“魔球”を投じ、勝つ。(笹田幸嗣通信員)

 ≪オキー経験生かす≫16年ドラフト2巡目(全体43番目)でレッズに入団し、3月にエ軍とマイナー契約を結んだオキーは3Aソルトレークからこの日にメジャー昇格。メジャー経験は昨季の7試合だけだが、フィル・ネビン監督は「翔平の球を受ける準備を昨夜からしている。心配していない」と語っていた。苦しい捕手事情の中で抜てきされたオキーは試合後に「大谷は何をしたいのかをうまく伝えてくれた。この経験を生かして勉強していきたい」と前を向いた。

 ≪自己ワーストタイ3戦連続被本塁打≫大谷が5回、マルドナドに逆転2ランを被弾。今季は開幕から5試合目までは被本塁打0も、以降は3試合連続で一発を浴びている。3試合連続被本塁打はメジャーでは18、21、22年に1度ずつ記録している自己ワーストタイ。また3試合連続での1試合3失点以上はメジャーで自身初となった。

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