侍Jに「パパは入っていないね」 愛息の“叱咤激励”に応え、広島・九里が志願の完封「いかせてください」

[ 2023年5月11日 05:03 ]

セ・リーグ   広島4-0中日 ( 2023年5月10日    バンテリンD )

3回、福永の空振り三振に抑え、ガッツポーズする九里(撮影・椎名 航)
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 広島・九里亜蓮投手(31)が10日の中日戦で20年9月28日のDeNA戦以来、954日ぶり3度目の完封で2勝目を挙げ、7カードぶり、敵地に限れば開幕から6カード目にして初の勝ち越しに貢献した。中日打線に付け入る隙を与えず、今季の先発陣では最多118球で、初の9回完投。勝率5割復帰を呼んだ。

 九里は石川昂を右飛に仕留めて27個目のアウトを取り、笑顔で捕手・坂倉と固い握手を交わした。「最後まで0点でいけたのは良かった。8回が終わった時点で(新井)監督に“どうする”と聞かれて、“いかせてください”と言って、9回もいかせてもらった。絶対0で帰ってくる気持ちでマウンドにいった」。志願の続投で118球を投げ抜いた。

 回の先頭打者に5度の出塁を許し、「四球だったり、課題は出ている」と反省しても要所は締めた。特に右打者への内角球の精度が高く、散発4安打に抑えた。中日には今季3度の対戦で計24回1失点(自責0)。特にバンテリンドームでは2試合計17回無失点を誇り、「あまり気にはしてない。一人一人と勝負する中で結果が出ればいい」と強調した。

 19~21日に開催される「G7広島サミット2023」の影響で、東京ドーム(12~14日)、横浜スタジアム(16~18日)、甲子園(19~21日)まで4カード連続の長期遠征が組まれた。敵地では開幕から過去5カードで勝ち越しがなく、4勝10敗の苦戦だったことも踏まえ、最初のヤマ場と目されていた。岐阜・長良川球場で力投した床田からのバトンを受けて2日連続の零封勝利。“試練の2週間”を好発進した。

 5歳の長男と遊び感覚で野球をするのが気分転換。3月に開催されたWBCを自宅でテレビ観戦している時には「日本代表やっているけど、パパは入っていないね」と思わぬ言葉をかけられた。「それでも、うれしい。野球選手として僕を見てくれているということなので。モチベーションになっている」。愛息からの“叱咤激励(しったげきれい)”と受け止め、マウンド上での大きな背中で父の威厳を示した。開幕から先発陣を100球前後で交代させてきた新井監督も「代えたら怒られるでしょ?本当にナイスピッチングだったと思う。タフで頼りになる投手」と最敬礼だった。 (長谷川 凡記)

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