松坂大輔氏 忘れられない甲子園でのプロ初本塁打「あの高めを本塁打できるのは僕か中村ノリさんぐらい」

[ 2022年5月31日 05:30 ]

06年の交流戦でプロ1号を放った松坂大輔氏
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 スポニチ本紙評論家・松坂大輔氏(41)による、月1回の連載コラム「松坂大輔の探球~シーズン編~」の今回のテーマは交流戦。プロ野球は24日から交流戦がスタートし、その開幕時に日本に一時帰国していた松坂氏が、現役時代の交流戦の思い出などを振り返った。

 今でも左中間への弾道、打った瞬間の両手の感触は鮮明に記憶に残っています。24日に開幕した交流戦。パ・リーグの西武に所属していた現役時代は、セ・リーグ本拠地での対戦が待ち遠しかったです。DH制がなく、とにかく打席に立ちたい。それが何よりの楽しみで、甲子園でのプロ初本塁打は脳裏に刻み込まれています。

 阪神のダーウィン投手から一発を打ったのは06年6月9日でした。8回2死三塁。カウント2―1からのファウルがいい感じで、そのタイミングに合わせて「1、2の3」で振りました。高めのボール球、149キロの直球。「大根斬り」のような打撃でしたね。初本塁打が甲子園というのがとにかくうれしかった。あの高めを本塁打できるのは、僕か中村ノリさん(現中日2軍打撃コーチ)ぐらいしかいないんじゃないですかね(笑い)。

 当時、西武投手陣は交流戦で打席に立つのを楽しみにしていました。先発陣の打撃練習ではホームラン競争をしたり。でも、自分がなぜ打撃が好きなのか。改めて考えると、人の投げている投球を見るのが好きなんです。中日時代はソフトバンク・千賀滉大投手の時に打席に立つ機会がありました。例えば春季キャンプで、許可をもらえるならロッテ・佐々木朗希投手らのブルペン投球を打席に立って見てみたい。いつかそんな機会があれば、と思っています。

 あとは高校時代から思っていたことですが、その投手の決め球を打つと決めていました。05年にはヤクルトの藤井秀悟投手のチェンジアップを右前打したこともあります。バットは松井稼頭央さん(現西武ヘッドコーチ)の形が好きで、オーソドックスで使いやすかったので稼頭央さんモデルで打っていましたね。

 29日はパ・リーグが6戦全勝でした。特にセ・リーグは、他球団が負ける中で1チームでも勝てば順位に大きく影響します。個人でもチームでも、1年間の長い戦いの中で大きな影響を及ぼす。それが交流戦だと思います。ファンの皆さんも、普段はない対戦、雰囲気を存分に楽しんでもらえたらと思います。

 ≪西武時代は交流戦で打率2割超≫松坂氏が本塁打を打った06年、交流戦での打撃成績は9打数3安打。打率.333の好成績をマークした。西武時代は交流戦で打率2割超を誇り、交流戦がスタートして自身がレッドソックスに移籍するまでの05、06年の2年間で19打数4安打の打率.211、1本塁打、3打点。セ・リーグで打席に立つ中日時代を含め、NPBでの通算打撃成績は42打数7安打の打率.167、1本塁打、5打点だった。

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2022年5月31日のニュース