ヤマハ 打撃戦制して4年連続43度目の都市対抗切符 5番・藤岡が初回逆転満塁弾

[ 2022年5月31日 19:40 ]

第93回都市対抗野球大会東海地区2次予選   ヤマハ14―10JR東海 ( 2022年5月31日    愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアム )

<JR東海・ヤマハ>初回1死満塁で右越えに逆転グランドスラムを放つヤマハの5番・藤岡
Photo By スポニチ

 ヤマハが4年連続43度目の本大会(7月18日開幕、東京ドーム)出場を2年連続第1代表で決めた。JR東海との大一番は両軍29安打24得点の激しい打撃戦。決する活躍は5番の藤岡康樹三塁手(27)だ。初回の右越え逆転満塁弾など、要所で4安打8打点。投手陣を含めチームを救い、優秀選手賞を獲得した。組み合わせ抽選会は6月17日、都内で開かれる。

 西日を背にヤマハの守護神・波多野陽介(28)の右手が高々と挙がった。最後の打者を一ゴロ締めした瞬間、三塁側ベンチから猛然とナインがマウンド上へ駆け出す。昨年第1代表決定時は厳しいコロナ禍もあり控えた歓喜の輪。やや下火となった今年はマウンド上で広がった。

 「代表権を獲れたことが良かったです」

 喜びに胸を張った藤岡のバットが、チームを2年連続第1代表へと導いた。2点を先行された初回1死満塁。カウント1―1から狙い球のツーシームを捉えた打球は右翼芝生席に弾む逆転グランドスラムだ。「一発で仕留める。追い込まれたらフォークが来るので。後ろにつなごうと気負いなく打てました」と自画自賛の一発が自身をも鼓舞する打線活発化の合図にもなった。4回には左越えに2点二塁打。6、8回にはそれぞれ右前適時打を記録し「できすぎ。ホームランを打ったあとはいつも淡泊になるんですが、4回の二塁打は左腕から良い当たりできた。その後の2打席にもつながりました。5打点以上は記憶にないです」と笑った。

 怒濤(どとう)の4連勝は劇勝したHonda鈴鹿との2回戦が全てだった。8回表の時点で最大5点差を追う劣勢。新型コロナウイルス感染者が出て途中棄権した静岡大会などJABA大会で振るわず、オープン戦も逆転シーンがなかった。それが藤岡の左中間二塁打を皮切りに網谷圭将右翼手(24)の猛追2ラン、最後は青柳直樹二塁手(32)の中前打で逆転サヨナラ勝利。トヨタ自動車との3回戦も川辺健司(32)の中越えの決勝2点二塁打が飛び出すなど、室田信正監督(48)は「今年はベテランが頑張ってくれました」と称え「藤岡が本当に良いところで打ってくれました」と絶賛した。

 金属バット時代を思い出す3時間55分の打撃戦を制したナイン。8回に決定的な中前適時打を放った網谷は本大会を見据え「ドームでは何十点も取れる投手が相手じゃない。良い投手から1点をどう取るか」と早くも気を引き締めた。32年ぶりの「日本一」へ、再度束になる。   (小澤 秀人)

続きを表示

2022年5月31日のニュース