浜中治氏「大山3番」のススメ「準備もしやすく、良い流れ、リズムで打席に向かえる」

[ 2022年5月31日 05:30 ]

19年、大山(右)にアドバイスを送る浜中コーチ

 阪神の元打撃コーチで野球解説者の浜中治氏(43)が30日、スポニチ本紙に特別寄稿し、53試合を消化してともにリーグ最下位のチーム打率・223、155得点と低迷する阪神打線について現状を分析するとともに提言。打撃コーチ時代に徹底指導した大山悠輔内野手(27)の適正打順を「3番」とし、打線全体には「各打者は初心に戻って直球を打ち返すべき」と説いた。

 リーグトップのチーム防御率2・78が証明するように投手陣は奮闘している。守護神左腕には疲れの色が見えるものの、ようやくアルカンタラ―湯浅―岩崎の勝ちパターンが確立。救援陣に形ができた今、改めて攻撃陣の奮起が巻き返しの鍵を握っていると言える。

 そのキーマンが、大山だ。22日巨人戦で今季初めて「3番」として出場し、目下4試合連続で出場中。現状で大山の適正打順は「3番」と見る。

 大山はとても責任感の強い選手だ。チームが低迷する今季。「4番・佐藤輝」の後ろ、「5番」を任されていた時は、強い重圧とも戦っていた。特に得点圏に走者を置いた打席では何とかしようという気持ちが強すぎて本来の姿が影を潜めた。

 一方、「3番」ではリラックスして打てているように見える。初回に必ず打順が回ってくるので、準備もしやすく、とても良い流れ、リズムで打席に向かえていると感じる。

 長いシーズンの中では、打順の組み替えが必要な場面もある。打撃コーチ時代は各選手の性格なども判断材料の一つとして打順を組み替えていた。チーム唯一の右の長距離砲。貴重な存在だけに、大山に関しては好不調にかかわらずクリーンアップ、中軸打順の中だけでの打順変更を求めたい。「3番」を継続すればチーム得点力は上がってくるだろう。

 加えて各打者には速い直球を打ち返すことを徹底してもらいたい。どうしても阪神は直球に弱いイメージがある。もちろん相手にも各データが入っている。今からでも決して遅くない。原点回帰。打撃の基本である直球を打ち返すことに努めてもらいたい。
 浮上へ向けチームが勢いづくのは打線の力で勝利することだ。打ち勝てば翌日の試合にも好影響をもたらす。夏場へ向かう今こそ、攻撃陣に頑張ってもらいたい。(元阪神打撃コーチ)

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2022年5月31日のニュース