45歳の中日・福留を支える飽くなき向上心 セ最年長二塁打の次はアーチに期待

[ 2022年5月31日 05:30 ]

26日の西武戦、代打で二塁打を放った福留
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 待ちに待った瞬間だった。バンテリンドームで行われた26日の西武戦。6回2死二塁から代打で登場した中日の福留が右翼線へ今季26打席目の初安打となる適時二塁打を放った。45歳1カ月での二塁打はセ・リーグ最年長記録。打った瞬間、スタンドは沸き返り、代走が告げられてベンチに戻る背番号9に送られる拍手はしばらく鳴り止まなかった。

 追い込まれてからファウルで粘り、西武・森脇の8球目のカーブを見事にとらえた一打。ベテランの技が詰まった素晴らしいタイムリーだった。

 現役最年選手の原動力は「もっとうまくなりたい」という向上心だ。オフの取材で「レギュラーを目指す」と言い切ったのには正直、少し驚いた。シーズンに入り、ずっと結果が出なくても試合に臨む姿勢は変わらなかった。ホームゲームの際は全体練習の何時間も前に球場に入り、誰もいない外の駐車場で走り込み、薄暗いグラウンドでティー打撃に汗を流した。

 「どういう状況であれ、自分のやることは変えずに、それだけはちゃんと毎日続けようと。結果が出る出ないは関係なくね」

 不断の努力を知るからこそ立浪監督もチャンスで迷いなく送り出し、「1本出れば変わる。チームに必要な戦力だ」と言い続けてきた。指揮官自身も08年に開幕から代打中心の起用で20打席目に初安打を記録したことがある。気持ちは痛いほど分かっていた。

 福留は打てば全てが最年長記録となる球界のレジェンド。次はセ最年長本塁打を見たい。(記者コラム・中澤 智晴)

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2022年5月31日のニュース