【スポニチ潜入(5)大経大・才木海翔】驚異的パワー剛腕 座右の銘は気合と根性 しみる曲愛する熱血漢

[ 2022年5月31日 08:00 ]

関西アマ球界屈指の剛腕、大経大・才木海翔
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 アマチュア野球の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube公式「スポニチドラフトチャンネル」において取り上げる「スポニチ潜入」の第5回。大経大・才木海翔投手(22)は驚異的なパワーを武器に、155キロ到達とドラフト1位指名を目標に掲げる本格派右腕だ。 大経大・才木海翔投手の動画はこちら

 しっかりと右足一本で立ってタメを作り、リリースポイントで持てる力を解き放つ。投じられたボールは重厚な球威をまとい、捕手のミットで“爆音”を奏でる。関西圏の大学生ナンバーワン投手の呼び声高い才木は、大きな体に大志を抱く。

 「高校の時点なら、指名していただいても育成だろうと思っていました。だから大学の4年間で成長して、絶対に1位で行こうと決めてやってきました」

 北海道栄3年夏時点の体重は66キロで、大学入学時も69キロと細かった。そこでウエートトレーニングを重ねるとともに食事への意識を高めて体づくりに励み、確固たる土台を築き上げた。その結果、今春時点の体格は1メートル81、85キロ。鍛え上げた肉体には驚異的なパワーが備わる。

 握力は右75キロ、左73キロで、リンゴを握りつぶすことができる。さらに大学3年時に計測したスイングスピードはチーム随一の149キロ。身体能力の高さを物語る尺度と言える。加えて、その原動力を生かして投じられるボールの投球回転数はMAX2600回転。直球は150キロ超をたたき出す。羅列された各数値の大きさが右腕のスケールの大きさを雄弁に物語る…が、まだ満足はできない。

 「疲れてきた時は2400回転くらいになるので常時2500台後半から2600回転にしたい。(球速は)155キロを目指してやっていきたいと思います」。目指すは世代を代表する剛腕だ。

 プロ相手に実力も示した。3月8日にはオリックス2軍とのプロアマ交流戦で4回無失点。調整出場した吉田正を直球で詰まらせるなど、力強さを誇示した。同15日には阪神2軍戦に先発して3回2安打2失点と結果にこそ恵まれなかったが、ネット裏から熱視線を送った和田豊テクニカルアドバイザー、畑山俊二アマ統括スカウトら球団幹部の前で大器の片りんを見せた。今春リーグ戦は主に中継ぎ起用され1勝4敗。それでも防御率1・16と格の違いも示した。

 北海道栄時代には当時、苫小牧駒大に在籍していた伊藤大海(日本ハム)と交流があり、今もお手本とする。「(フォームは)ほぼ(自分の)オリジナルで、そこに伊藤大海さんの要素を入れて。リリースとか、下半身の使い方とか、トレーニングの仕方とかも、けっこうマネをしている部分はあるんじゃないかと思っています」。力強い投球で打者をねじ伏せる「大海流」の投球スタイルで、打者を圧倒する。

 その端正なマスクの裏は、昭和の雰囲気を漂わせる熱血漢。座右の銘を問うと「気合と根性」と返ってきた。好きなアーティストをたずねると安全地帯、杉山清貴&オメガトライブ、C―C―B、松任谷由実…と、かなり世代が上のアーティストを列挙する。「しみる曲で言うと安全地帯の『恋の予感』というのがあって、めちゃくちゃ好きですね」。大物になる予感も、大いに漂わせる。(惟任 貴信)

 ◇才木 海翔(さいき・かいと)2000年(平12)6月10日、大阪府豊中市出身。庄内小3年から庄内ゼッツで野球を始め、豊中第六中では準硬式野球部。北海道栄では3年春からエースも、甲子園出場経験なし。大経大では1年春からリーグ戦登板、3年秋に最優秀防御率タイトル獲得。50メートル走6秒9。1メートル81、85キロ。右投げ右打ち。

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