矢野阪神「負の連鎖」止まらない…セ・リーグ史上“最弱”13試合で借金10 先発・秋山が誤算

[ 2022年4月10日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー9広島 ( 2022年4月9日    甲子園 )

<神・広>森下(左)の走者一掃三塁打で、3回までに6失点した秋山(撮影・成瀬 徹)  
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 阪神は9日の広島戦に1―9で完敗し、1勝11敗1分けで借金10となった。13試合目での負け越し2ケタ到達は、93年の横浜など4球団が記録した14試合目を抜くセ・リーグ最速となるワースト記録。球団記録だった95年の22試合目も大幅に塗り替えた。先発した秋山拓巳投手(30)が3回までに6失点。そのうちの4打点を、相手先発の森下に挙げられたことが響いた。

 矢野阪神の負の連鎖が止まらない。「開幕9連敗」、「11試合目での10敗到達」に続き、また不名誉なセ・リーグ記録を樹立した。「13試合目での借金10」は、過去4チームが持っていた14試合目を更新。最速での2桁到達になった。

 守備のほころびが悪い流れを生んだ。2回、1点を先制されてなおも1死二塁で、8番・上本の右飛を佐藤輝が目測を誤って安打とし、ピンチを一、三塁に拡大させた。

 続く9番の森下には、フルカウントからセーフティースクイズを許した。三塁走者は、投球と同時にスタートを切っていなかったとはいえ、投手と一塁手の間の絶妙な位置へ転がされたため、得点を防ぐのは難しかった。しかし、先発の秋山が難しい体勢から本塁へ送球してオールセーフ(記録は犠打野選)。傷口を広げた直後に、西川に適時打を浴びて3点目を失った。

 矢野監督はスクイズの場面を振り返り、「あのカウントまでいっちゃったというのがね。あそこに転がった時点で、ホームでのアウトは難しい。冷静にいってくれたら良かったかな」と、打者走者をアウトにしなかったことを残念がった。

 3回には、2死満塁から森下に走者一掃の三塁打を浴びた。投手に4打点を挙げられる悪夢で、3回までに6点を失い、試合開始わずか1時間10分で敗色濃厚のムードが漂った。4回もたずに降板した右腕は「苦しい状況で何とか力になりたかったが、粘ることができず、先発の役割を果たせなかった」と肩を落とした。

 島田ら3人を昇格させるテコ入れを施したが、前日の藤浪に続き先発が序盤につまずいた。1日の巨人戦以降の7試合で、3回までに2点以上のビハインドを背負ったゲームは、この日を入れて5試合もある。守備からリズムをつくらなければ、浮上の余地はない。(倉世古 洋平)

 《29年ぶり更新》阪神は1勝11敗1分けで今季初借金10到達。開幕13試合目は、02年にロッテがプロ野球最速タイの開幕10戦全敗で到達して以来で、セ・リーグ球団では93年横浜まで過去4度あった14試合目を29年ぶりに更新するワースト記録。阪神でも95年の22試合目を大幅に更新する球団史上最速となった。2リーグ制以降、阪神が2桁借金を背負ったシーズンは最下位に終わった18年(最大19)以来4年ぶり29度目で、矢野監督は初めて。最終順位の最高は3位だが60年(最大借金11)、63年(同13)、66年(同19)とすべて60年代。4位以下のBクラス率は89・3%と高い。

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2022年4月10日のニュース